更新日:2025年09月13日 16:30
ライフ

“生まれつき弱視”の慶應生がショックを受けた、大学での出来事「差別意識を隠そうともしない人たちが思ったよりも多い」伝えたいメッセージとは

気分が重くなった、陰湿な“いじり”

鈴木我信

現在通う大学キャンパスにて

――鈴木さんは小学校時代、盲学校ではなく一般の学校に通っていたそうですね。目のことで嫌な思いをしませんでしたか。 鈴木我信:ひどい暴力を振るわれるとか、仲間はずれにされるなどのわかりやすいイジメはありませんでした。ただ、同級生が“いじり”だと思っているもののなかには、当時の私にとって気分が重たくなるものもありました。 今でも覚えているのは、駄菓子屋で「きなこ棒」を買ったときのことです。あたりが出るともう1本もらえるお菓子なのですが、友人たちが口々に「あたりじゃん! あたってるよ」というので、つい私も嬉しくなってしまったんです。 でも目を近づけてよくみても、あたりを示す赤色ではないんです。結局、友達は「どうせ見えていないから」と適当なことを言ってからかっていたんです。くすくすと笑う声が聴こえて、なんだかどんよりしてしまいました。 ――そうした陰湿な“いじり”が中学受験をするきっかけになったそうですね。 鈴木我信:そうなんです。国立盲学校は全国に1つしかないのですが、小学校5年生のときに受験を決意しました。正直、もとから頭がよかったとか、そういうわけでもありません。それまではテストで0点を取ることもありました。けれども真剣に勉強した結果、入学することができました。

「献立を教えてくれるシステム」を構築

鈴木我信

同級生に向けて作ったシステム

――入学した先で、プログラミングと出会ったと聞きました。 鈴木我信:はい。中学校は給食があるのですが、友人が毎回「今日の給食なに?」と聞いてくるんです。答えるのは全然苦ではないのですが、「これ、仕組みを作って解決できないかな」と思ったんですね。 そこで、ほとんどプログラミングなんて知らなかったのに、勉強し始めました。そして朝7時になると自動的にLINEを通じて献立がわかるシステムを作ることに成功しました。友人からは、「誰かに頼らなくても、自分でわかるから便利」と好評でしたね。
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友人から「君がいてくれてよかった」
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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