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中学受験「問題難易度のインフレ」が止まらない。“20年前の開成中の問題”は「偏差値50でも解けて当たり前」に

「小学校3年生の冬」に入塾しないと間に合わない

ーーですが、そんなに難しい問題が解けるようになっているなら、教育投資としてはある種成功していると言えなくもないのでは? 伊藤:もちろん、今の子のレベルは上がっています。  ただ、普通の子が開成の過去問を余裕で解けるレベルに至ったわけではありません。でも、解けないと勝負の土俵に上がれない。となると、もう演習量でカバーするしかないんですよ。  むかしは「小5の冬から入塾して1年で最難関中に合格!」みたいな話もあったようですが、現代ではあり得ません。よく言われている小学校4年生ですら手遅れで、いまは「小学校3年生の冬」には入塾しないと間に合わないと言われる時代です。  もちろん、小3の冬から参加して、3年以上も塾に通えば出費も増えます。現代の中学受験である程度の結果を望むなら、最低でも300万円は用意出来ないと話にならない。  とはいえ、インフレする難易度に自力でついていける子どもは多くありません。補習塾や家庭教師を頼むのもザラですから、そうなるとさらに100万、200万とかさんでいく。500万円準備していても、安心はできませんね。「小学校入学と同時に入塾」も珍しい話ではありませんよ。

「ボリュゾ」に停滞する家庭の苦悩

ーーですが、全員が成功するわけではないんですよね? 伊藤:もちろんです。競争なので、誰かが上がれば誰かが沈む。  ただ、一番上と一番下は気楽なんですよ。トップ層は勝手に勉強するし、もともと賢い子も多いので、手がかからない。塾を「難しいパズルが解けるジム」くらいに捉えている子も多いのでは。  逆に、一番下の層は、もう浮き上がるのを諦めている。開き直って10歳~12歳の手がかかる時期の子を「勉強させられる託児所」のように利用される家庭もあります。  一番苦しいのは、偏差値45から55のボリュームゾーン、通称「ボリュゾ」に停滞している家庭。別に、彼らの能力が足りないわけではありません。このレベルに留まれる子は、「地元じゃ負け知らずの神童」扱いです。ただ、いまは時期が悪すぎる。厚すぎる壁に跳ね返されてしまう。「学校のテストは目をつぶっても100点が取れるのに、中学受験では全力でやって偏差値48」も当たり前。  逆に言えば、「できる」プライドが彼らに沈没を許さないんです。上がりたくても上がり切れず、沈むには多くの未練が残っていて、いつまでも中途半端な順位をふらふら。もちろん、メインの集団塾とダブルスクールをしていれば毎月10万単位で飛んでいく。結果として、500万近くはらったのに、パッとしない結果に終わる。
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小6の秋冬に「ボリュゾ親」が言い始めること
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著述家、教育ライター。 一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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