特殊清掃員、遺品整理士、そして真言宗僧侶の亀澤範行と申します。2007年に「関西クリーンサービス」を創業し、これまで10万件以上の特殊清掃、遺品整理、ゴミ屋敷清掃の現場に携わってきました。特殊清掃の現場で起こっている問題に真正面から向き合い、社会に警鐘を鳴らすべく、YouTubeチャンネル「関西クリーンサービス」（チャンネル登録者数17万人）で発信を続けています。 　今回は、若い女性の住むゴミ屋敷現場をご紹介します。風俗で働く彼女の部屋には悪臭が漂い、ゴミ袋の山、そして飼い猫のフンが散乱していました。 　ある理由から、「風俗勤務をやめられない」と話すご依頼主のA子さん。美しい容姿と裏腹なゴミ屋敷で、彼女はどんな人生を送ってきたのでしょうか。 　お部屋のインターフォンを鳴らすと、ご依頼主であるA子さんが出迎えてくれました。清楚な雰囲気で、笑顔が素敵な女性です。本人いわく、「広瀬すずに似ているとよく言われるんです」とのこと。その言葉に納得するほど整った容姿の方でした。 　　しかし、「部屋、めっちゃ汚いです……」と照れ笑いを浮かべながら開けてくれた玄関先には、靴やゴミが散乱。足の踏み場もない状態でした。 ※清楚な見た目とは裏腹に、彼女の生活空間は崩壊していた。しかし、取材を進めるうちに見えてきたのは、事情と葛藤を抱えた一人の女性の姿である。なぜA子さんは、風俗の世界を離れられないのか。そして、荒れ果てた部屋の奥に隠されていた彼女の本当の思いとは。有料後編では、ゴミ屋敷化の背景にある心の闇と、そこから再生へと向かう姿を追う。(残り：3900文字) 1980年生まれ、大阪出身。A-LIFE株式会社代表取締役。祖母の遺品整理を経験したことで、遺族の心労に寄り添う仕事をしたいと考え、2007年より個人商店として「関西クリーンサービス」を創業。2010年にはA-LIFE株式会社を設立し、本格的に遺品整理・特殊清掃の事業を開始する。YouTubeチャンネル「関西クリーンサービス」にて孤独死・ゴミ屋敷・遺品整理の現場を紹介し、社会に警鐘を鳴らし続けている。X：@KAMESAWA_Kclean