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コール猟の季節到来! 雄鹿を呼び寄せ、銃を構えたときに起きた予期せぬトラブル/東出昌大

これほど人間らしい生き方をしている人はいないのではないだろうか。現在、猟師免許を持ち、北関東の山間部で狩猟生活をしながら役者業をしている現役ハンターの東出昌大が実体験をもとに綴るSPA!の人気連載を公開。山での豊かな生活を送る東出昌大が季節到来したコール猟について述べていく。(以下、東出昌大氏による寄稿)
誰が為にか書く

東出昌大

「奥山に 紅葉踏み分け鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき」。古今和歌集より。  昔の歌は良い。ここまで古いと著作権云々なんて言われないし、綺麗な日本語の中に意味もギュッと凝縮されていて、なにより、読んだだけでちょっぴり賢くなった気になれる。  鹿が繁殖期に入るこの季節、山ではそこかしこからビョォォオオと縄張り争いの声が聞こえる。歌人はそれを「寂しげな秋の季語」と設定したが、猟師の我々は「フフンッ!! とうとうこの季節がやって来たか!」と、雄鹿と呼応するように鼻息を荒くする。“コール”猟が出来るようになるからだ。鹿は雄のみがツノを生やすが、これは毎年生え替わる。春先にポロッと落とした立派なツノのあとにはまた新しいツノが生えてくる。だが夏のツノは発達途上のため袋状の皮に覆われており「今は喧嘩出来る状態じゃねぇから!」と雄鹿は奥山に引っ込みがちになる。
1988年、埼玉県生まれ。’04年「第19回メンズノンノ専属モデルオーディション」でグランプリを獲得。’12年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。現在は北関東の山間部で狩猟生活をしながら役者業をしている