「スマホを使うことが高齢者の認知症予防に」脳神経内科医が語る“スマホが意欲を引き出す”仕組み
認知症治療に必要なのは薬ではなく「予防」
ーー認知症の診療現場で感じてきたことがあればお聞かせください。
内野:認知症は、年齢とともに発症率が高まる病気です。テレビや新聞でも頻繁に取り上げられるようになり、「最近、物忘れが増えてきた」「もしかしたら認知症かもしれない」と不安を抱えて受診される方が、毎日のようにいらっしゃいます。
ーー認知症は早期発見が大切だと言われますから、「物忘れが増えた」と心配して病院を受診するのは、むしろ良いことのようにも思えます。
内野:たしかに認知症の治療においては、早期診断と予防が何よりも重要です。ところが、「認知症かもしれない」とあれほど恐れていたにもかかわらず、いざ予防の話になると、途端に実践してくださらない方が少なくありません。その理由が、高齢の患者さんからよく聞く、「認知症になったら、薬を出してください」という一言に集約されていると思います。
ーー薬に頼れば治ると思っている方が多いと。
内野:これもよくある誤解です。多くの認知症は一度発症すれば、完全に元の状態に戻すための治療法が確立されていません。現在使われている治療薬は、神経伝達を一時的に補う補助的な手段にすぎず、病気の進行を根本的に止めることはできないのです。だからこそ、予防となる生活習慣の改善が大切になります。
私は、認知症を発症するとどのような変化が起こるのか、そしてご家族がどれほど大変な思いをされるのかを、日々の診療の中で痛感しています。そのため、できる限り懇切丁寧に説明を尽くします。それでも、聞く耳を持ってくださらない方には、「頭がよくなる薬はありません」などと厳しい言葉を使うこともあります。
ーー相当お怒りになるんじゃないですか……?
内野:もちろん本心ではありませんし、ちゃんと理由があります。人は年齢を重ねて脳が萎縮してくると、大脳の働きが弱まり、相対的に「大脳辺縁系」と呼ばれる、本能的で原始的な感情を司る部分の活動が強くなります。つまり、高齢になるほど「怒り」の感情が前に出やすくなるんです。だから、私はあえてその感情に訴えて発破をかけるようにしています。「若造にこんなことを言われて腹が立つでしょう。だったら、しっかり予防していきましょう」と。
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