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「ショート動画依存」で脳が壊れる。記憶力、思考力、決断力が低下してもやめられない…最も危険なネットコンテンツの罠

無限・自動・レコメンドで依存が加速

[ショート動画依存]で脳が壊れる

ITジャーナリスト・高橋暁子氏

 ITジャーナリストの高橋暁子氏も、「ショート動画の設計が大問題」と指摘する。 「ネット上のアルゴリズムがユーザーの興味関心に合わせて情報を偏らせていくフィルターバブル効果はよく知られるところ。ショート動画ではそれに加え、似た系統の動画だけでなく、ビッグデータを駆使して“その人が好きそうな別ジャンル”の動画まで次々と表示してくる圧倒的なレコメンド機能がある。投稿者側も、視聴者が離脱しない構成や刺激的な演出を意図的に仕込むため、依存性が加速。飽きることなく、延々と見続けてしまうんです」  動画を1本見終わってもスワイプするだけで新しい刺激がすぐ得られ、従来のYouTubeのように自分で検索する手間がないのも依存しやすい点だという。  映画とは異なり、ショート動画には終わりがないのだ。我々を依存へと誘うショート動画だが、規制の見通しはあるのだろうか。 「プラットフォーム側としては、ショート動画の勢いを削ぐような対策は打ちたくないため、規制は後手に回っています。特にTikTokやXで流れる動画は、他サービスに比べて規制が緩く、刺激的なコンテンツで溢れています」

成長途上の子どもの脳が最も壊れる

[ショート動画依存]で脳が壊れる

子どもたちに人気「イタリアンブレインロット」

 さらに厄介なのは、近年、AIとショート動画という“禁断の組み合わせ”が登場。「より強烈な刺激が生み出され脳を壊すスピードは加速しています」と高橋氏は言う。  実例として、「顔がコーヒーカップになったバレリーナ」など、AIが生成したキャラクターにイタリア語風の名前と語りを付けたシュールな動画シリーズ「イタリアンブレインロット」が、世界中の子どもの間でバズっている。  榊氏も、特に怖いのが子どもへの被害だと警鐘を鳴らす。 「本来なら学習などで脳に負荷をかけて育てていくべき時期に、ショート動画で時間を溶かしてしまうと、思考力や言語能力、コミュニケーション能力の発達に深刻な悪影響を及ぼす恐れがあります。しかも、一度衰えた前頭前野の機能は、視聴をやめたからといって100%元に戻るとは限りません」  ショート動画の視聴で自らの脳の機能を損なってしまう――。その代償は広く理解されるべきだ。
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検証! ショート動画視聴で脳はどれだけ疲弊する?
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