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「老後が孤独になる人」の共通点。“気の合わない人”を避け続けることのリスクとは

老後の生きがいを守る鍵。適切な距離感で築くストレスのない人間関係

「多様性」は頭の中だけでなく、他人に対する対応にも必要だ。 僕も大学にいた頃は、いろんなタイプの学生たちとつきあってきた。最初はさぐりさぐりだが、半年くらいたてば、それぞれの学生たちとどの程度の距離感でつきあうべきかもなんとなくわかってくる。 例えば、この子は少し厳しく指導しても大丈夫でそのほうが伸びるかな、とか、この子はデリケートな子だから接し方に気をつけないといけないな、といった具合だ。 近年、たびたびニュースになるセクハラやパワハラというのは、相手が感じている距離感と自分が考えている距離感とが合致しないことで起こるのである。 相手と自分は別の人間なのだから、考え方や感じ方が違うのは当たり前だということをまずは認めなくてはいけない。 厳しく接しても、それを愛情だと受け取る人がいる一方で、いじめだと受け取る人もいる。後者の場合はパワハラという話になりかねない。

人間関係の“見極め力”で老後の時間を守る

もちろん、運が悪いとか相手が悪いなどということでは決してなく、結局、相手との関係性によって良いほうにも悪いほうにも転ぶということだ。 だから、あまり親しくないうちは、相手がどんな人であるかをしっかり観察する必要がある。 ちょっとめんどくさそうだなと思う人とは、それなりの距離感でつきあうほうが無難だろう。 若い頃ならともかく、老人になってから人間関係でトラブルを起こすのは、時間の無駄以外の何ものでもない。 新しい人間関係に関しては必要以上に深入りせず、つかず離れずの距離感を維持するくらいのほうがちょうどいいと思う。
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いざというとき心強い「生涯の友」を持つ価値
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1947年、東京都生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。山梨大学教育人間科学部教授、早稲田大学国際教養学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。高尾599ミュージアムの名誉館長。生物学分野のほか、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する著書がある。 フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』などテレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。著書に『騙されない老後』『平等バカ』『専門家の大罪』『驚きの「リアル進化論」』『老いと死の流儀』(すべて扶桑社新書)、『SDGsの大嘘』『バカの災厄』(ともに宝島社新書)、『病院に行かない生き方』(PHP新書)、『年寄りは本気だ:はみ出し日本論』(共著、新潮選書)など多数。また、『まぐまぐ』でメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』を月2回、第2・第4金曜日に配信中。

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