人間の「本来の」寿命は38歳!? 生物学の視点から見た「寿命の正体」とは
細胞分裂の回数にも実は限界がある
種の寿命を決めるもう一つの根拠は「ヘイフリック限界」です。
「DNAは細胞核と呼ばれる重要な部分に収まっている」という説明をしましたが、もう少し細かく言うと、ヒストンというタンパク質に巻きつき、さらに折りたたまれてパッケージ化された状態で収まっています。
そのパッケージ化された構造が染色体です。
染色体の末端にはテロメアという構造があり、これは端を守る“キャップ”のような役割をしています。テロメアには生命維持に直接関わる重要な遺伝子は載っていないため、多少切れても致命的な問題は起きません。
ところが、細胞分裂を重ねるごとにテロメアは少しずつ短くなり、ヒトではおよそ50回ほど分裂するとテロメアがほぼなくなってしまいます。
これが、ヘイフリック限界と呼ばれる現象です。
短くなっても伸び続ける、がん細胞のテロメア
1947年、東京都生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。山梨大学教育人間科学部教授、早稲田大学国際教養学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。高尾599ミュージアムの名誉館長。生物学分野のほか、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する著書がある。
フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』などテレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。著書に『騙されない老後』『平等バカ』『専門家の大罪』『驚きの「リアル進化論」』『老いと死の流儀』(すべて扶桑社新書)、『SDGsの大嘘』『バカの災厄』(ともに宝島社新書)、『病院に行かない生き方』(PHP新書)、『年寄りは本気だ:はみ出し日本論』(共著、新潮選書)など多数。また、『まぐまぐ』でメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』を月2回、第2・第4金曜日に配信中。
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『老いと死の流儀』 「老い」と「死」の正体を 生物学的、社会的観点から解き明かす!
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