仕事

親の介護で7年離職、40代後半でキャバクラ店員に転身した元営業マンの紆余曲折「 コツを掴めば“夜の世界”は働きやすい」

異例の経歴でキャバクラへ、内情は金銭トラブルも多い?

女性――キャバクラも最初はなかなか採用されなかったそうですね。 御厨:未経験でも車があれば働けるデリヘルドライバーと違い、キャバクラの男性従業員には年齢制限もあり、稀に面接をしてくれても不採用が続きました。無料紹介所の求人誌を手に片っ端から電話を掛けまくっても、なかなか相手にされません。 ――御厨さんのようにアラフィフの未経験者がキャバクラで働くケースは、あくまでレアケースということですね。 御厨:最初にキッチンとして働くことになったセクキャバの店長からも、「この年齢で未経験だとやはり難しいなあ」と言われていました。面接中のところに偶然通りかかった25歳のオーナー社長が、履歴書を見て「字が綺麗なやつは真面目だから悪い奴はいない」「しかも出身大学が俺と同じじゃん」ということで、私は運良く採用してもらえましたけど。 ――当然お店では最年長者ですよね? 御厨:男性従業員も店長も20〜25歳ぐらいでした。デリヘルもドライバーには同年代も多くて年齢は高めでしたが、内勤スタッフは若かったですね。セクキャバでの仕事は気に入っていたんですが、東京五輪に向けた取締強化に伴って閉店し、その後は系列のキャバクラで59歳まで勤務しました。 ――法的にグレーゾーンのセクキャバも少なくないみたいですが、デリヘルドライバー、セクキャバ・キャバクラ店員と給与面は良かったですか? 御厨:いずれも月収は20万円程度でしたが、無一文からのスタートでしたし、ライフワークバランスはそれなりに充実していました。ボーイには社員もいて、フルタイムで働く代わりにバイトより割のいい固定給や担当のキャバ嬢からのインセンティブがもらえるという感じですね。社員と言っても、よほど大きなグループなどでない限り社会保険などはなく、普通の飲食店と同様、バイトのほうが休みの希望は聞いてくれやすいです。キャバ嬢は自営業扱いです。 ――キャバ嬢も男性従業員も出入りは激しかったですか? 御厨:バックレて辞める人も少なくないですね。なぜか借金を抱えている人も多いので、店長やマネージャーなどは売上金を持って飛ぶこともあります。ある店長が売り上げを持ち逃げして、1ヶ月分の給料が出なかったこともありました。 ――介護施設に入所していたお母様が5年前に90歳で大往生され、セクキャバ時代も含めて約10年勤めた歌舞伎町のキャバクラの仕事も現在は辞めているとのこと。その後お仕事は? 御厨:池袋のキャバクラで少しだけ働いて、いまは介護事業者でアルバイトをしながら、某所のキャバクラでキャッチの仕事をしています。あと2年、65歳くらいまでは働こうかなと思っていますね。 <取材・文/伊藤綾>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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キャバクラ店員へとへと裏日記
『キャバクラ店員へとへと裏日記


48歳・独身。認知症の母を7年間在宅で介護し続けてきた著者が、介護明けに選んだ再就職先は──。クセの強い店長、気まぐれなキャバ嬢たち、絡んでくる酔客。緊張と気配りの連続、怒号と愚痴と笑いの渦中で、中年新人ボーイは今日もテーブルを駆け回る。働きながら毎夜“へとへと”になっていく日々をリアルに、そしてユーモラスに描いたお仕事エッセイ!

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