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トランプ政権とイーロン・マスクの“不思議な協力関係”から見える「アメリカ社会の矛盾と分断」

SNSが“強い声”を増幅させる

――SNSの影響も大きいですよね?
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写真/Koshiro K – stock.adobe.com

とても大きいです。SNSでは、丁寧な説明よりも“言い切る言葉”のほうが届きやすい。複雑な話をしても、なかなか読まれません。その結果、勢いのある語りをする人ほど支持が集まりやすい。トランプもマスクも、そこで注目を集めた人物です。「強く言える=頼りになる」という誤解が生まれやすい環境が整ってしまったとも言えます。

「あれ、これ日本でも起きてない?」という話

――ここまで聞くと、日本にも似たところが多いです。 そう思います。日本でも、“説明不足のまま進んでいく”という現象は少しずつ増えています。働き方改革、DX、DEIなど、理念は正しいのに現場が疲弊するケースは多い。「なぜ変えるのか」「誰のためなのか」が見えにくい。 SNSでは強い意見が目立つ。こうした環境が重なると、アメリカと同じような揺れ方が起きやすくなるんです。 ――確かに、職場やSNSでも似た空気があります。 アメリカの現象を“別の国の特殊な出来事”として見てしまうと、重要な徴候を見落としかねません。むしろアメリカは社会変化が早く表面化する国なので、日本がこれから直面する問題を先に経験しているとも言えます。
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「強く言える人」だけが目立つ社会は、何を生むのか
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株式会社タブロイド代表取締役。週刊誌、月刊誌のライターを経て、現在はインターネット関連の編集、コンサルティング、運営を手がける。デジタルジャーナリストとして、デジタル分野を中心に現代社会の事象について多角的な視点から評論を行う。著書多数。12月18日に新刊『アメリカ合理主義の限界』を発売
アメリカ合理主義の限界 アメリカ合理主義の限界

行き過ぎた“自由と自己責任”の果てにあるものとは?


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