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トランプ政権とイーロン・マスクの“不思議な協力関係”から見える「アメリカ社会の矛盾と分断」

「強く言える人」だけが目立つ社会は、何を生むのか

――トランプやイーロンの台頭は、アメリカの未来に何を示していますか? 一つは、「強い言い方が政治や社会を動かしやすくなる」ということ。勢いのある言葉ほど複雑さを削り、判断の材料を単純化してしまいます。もう一つは、“語れない人”が置き去りになりやすい点です。生活の事情が複雑でも、それを語る余裕がない。アメリカでは、こうした人々の不満が蓄積し、政治を大きく動かす力になりました。


著者が見た「アメリカの底にある空気」

――取材をしていて、どんな空気を感じました? 「以前の社会のルールが、もう機能している実感がない」という感覚が最も強かったです。制度自体は動いているのに、人々の納得が追いつかない。すると、“強く語る人”に寄っていく動きが生まれる。これはアメリカに限らず、日本でも起こり得ることだと思っています。

アメリカを見ると、日本の“これから”が透けて見える

アメリカの“限界”というと、派手な事件や政治的な対立を想像しがちだが、しかし本当の変化は、もっと静かで、日常の中でじわじわと蝕んでいる。理由の見えにくさ、説明の不足、強い声だけが届く環境。納得しないまま物事が進んでいく社会。アメリカはその“ズレ”が限界まで積み重なった国だと捉えると、日本のいまにも同じ影がゆっくりと伸びていることが見えてくる。トランプやイーロンを“遠い国の特異な人物”として眺めるのではなく、日本のこれからを考えるための鏡として捉える。その視点を与えてくれる一冊だ。
株式会社タブロイド代表取締役。週刊誌、月刊誌のライターを経て、現在はインターネット関連の編集、コンサルティング、運営を手がける。デジタルジャーナリストとして、デジタル分野を中心に現代社会の事象について多角的な視点から評論を行う。著書多数。12月18日に新刊『アメリカ合理主義の限界』を発売
アメリカ合理主義の限界 アメリカ合理主義の限界

行き過ぎた“自由と自己責任”の果てにあるものとは?

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