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25歳の女性が映画の配給会社を起業するまで「マンションを購入するための貯金で配給権を買い、会社を辞めました」

ジブリを愛する監督が作った、長編アニメ

──そして今、新たに手がけるのがパキスタン初の長編アニメーション映画(※2)『The Glassworker(グラスワーカー)』です。 粉川:この作品は初め、アニメ好きの方のつぶやきを通じて知りました。パキスタンに生まれて、もともとはプロのギタリストとして活動していたものの、スタジオジブリの作品に深く影響を受けたウスマン・リアス監督が自らアニメスタジオを立ち上げ、10年がかりで作ったものです。ジブリ作品と日本との親和性や、監督の経歴が刺さりました。あとは、この作品が戦争を扱っている点にも惹かれました。監督自身、「実在する国の物語ではないが、静かな政治的緊張が常にある地域で育ってきたことの影響は受けている」と話しています。架空の町の話だからこそ、全世界に戦争の悲惨さを伝えられる。少年少女の芸術を通じた心の交流と、戦争に引き裂かれていく人々の姿を描くストーリーも、日本人に響く内容だと感じたんです。
エッジな人々

ウスマン・リアス監督

──配給権はどのように得たのですか。 粉川:権利元であるフランスの会社と’23年末から交渉を始めました。当初提示されたのは、こちらの希望額の10倍ぐらい。「うちの希望額じゃないと無理です」と言ったら、だんだん下がっていき、7倍ぐらいになって。’24年3月の(※3)横浜フランス映画祭で、来日した担当者とお会いしてさらに交渉したところ「もうわかった、あなたの提示額でいいよ」と、ようやく納得していただけました。 ──限られた予算の中で奮闘されているんですね。 粉川:はい。我々は大手配給会社のように公開直前にCMをドンと打つ戦法が取れないので、作品の公開や宣伝にさまざまな戦術を駆使しています。クラウドファンディングもその一つ。作品の存在を知ってもらい、進捗があれば報告して、時間をかけて作品を応援してもらう狙いが大きいです。 ──ウスマン・リアス監督とお会いしたことはありますか? 粉川:もともとSNSなどを通じてメッセージのやりとりはしていたんですが、’24年8月の(※4)「ひろしまアニメーションシーズン」で監督が来日していて、初めて話しました。時間にも正確で、地道にやってきた真面目な方という印象です。
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スタジオでカットを確認するウスマン・リアス監督 ©Mano Animation Studios

──同作はパキスタン初のアニメーション作品とのこと。同国で今までアニメ映画が生まれてこなかったのはなぜなのでしょうか? 粉川:監督いわく「パキスタンでは芸術がお金にならない」そうです。そんな国を変えるために、最初はほとんど素人だった監督が絵コンテを描き溜めつつアニメータースタッフを育成し、クラウドファンディングなどもして一からアニメ制作会社を育てている途中なんですよ。
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自分に裁量権がある働き方は楽しい
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編集者・ライター。1986年、神奈川県生まれ。一橋大学社会学部社会学科卒、同大学院社会学研究科修士課程中退。批評誌「PLANETS」編集部、株式会社LIG広報を経て独立。2025年3月に初の著書となる『文化系のための野球入門 「野球部はクソ」を解剖する』(光文社新書)を刊行。現在は「Tarzan」などで身体・文化に関する取材を行いつつ、企業PRにも携わる。クラブチームExodus Baseball Club代表。
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