「2泊3日じゃ全然足らん!」山の学校で伝えるには10日以上必要な理由/東出昌大
都市部の生活に疲れ、人間らしい暮らしをしたい人の地方への関心が高まっている。そんななか猟師免許を持ち、北関東の山間部で狩猟生活をしながら役者業をし「山の中で楽しく遊んで暮らしているだけ」と話す東出昌大のもとには、山の生活に憧れ、彼の生き方に共感した仲間が集まる。ここでは、東出昌大の実体験をもとに綴ったSPA!の人気連載を公開。今回は前編に引き続き、今年開催した“山の学校”の様子をお届けする。2泊3日やってみて思ったこととは?(以下、東出昌大氏による寄稿)
前回は主催している「山の学校」のあらましをご説明しました。今回はやってみて生まれた悩みについて書かせて頂きます。
何が悩みか、ズバリ単刀直入に言うと「2泊3日じゃ全然足らん!!」のだ。狩猟採集民のコロニーのような共同体を目指すと書いたが、これは田舎暮らしの魅力とも根本的には通じている。なのでまずそこをご説明します。
田舎で生活するのはお金がかかりにくいと書いたが、金の不安が無くなると将来の不安も軽減され、焦って働かねばならないという焦燥感も無くなり余暇が増え、それが日向ぼっこや焚き火の無為な時間に繋がり、セロトニン系の幸福を感じる機会が増える。
もっと言ってしまえば、日常にその種の幸せが増えると、他者と比較し自分の優位性を確信して感じるドーパミン系の幸せとかがどうでも良くなってくる。
都会は金がかかる。新宿御苑は公園なのに入場料が500円もするし、ちょっと腰を落ち着けたくてもスタバもコワーキングスペースも金がかかる。その為には金を稼ぐ為に忙しくせねばならず、忙しくすると生存の維持に必要な食事はウーバーやコンビニ飯になり、子育てはシッターさんにお願いし、犬の散歩もお金を払ってお願いする人まで出てきた。アウトソーシングにかかる金が増えるのだ。
だから余計に「金を稼がないと!」と焦るし、金を稼ぐことに躍起になると目には見えない社会システムに心の四肢を絡(から)め捕られ、いつか憧れの田舎暮らしができるとは思えない精神状態になってしまい、都会の忙(せわ)しない生活を続けざるを得なくなる。
1988年、埼玉県生まれ。’04年「第19回メンズノンノ専属モデルオーディション」でグランプリを獲得。’12年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。現在は北関東の山間部で狩猟生活をしながら役者業をしている

東出昌大

参加した男の子がくれたお手紙と鹿の折り紙
1988年、埼玉県生まれ。’04年「第19回メンズノンノ専属モデルオーディション」でグランプリを獲得。’12年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。現在は北関東の山間部で狩猟生活をしながら役者業をしている



