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ゴミ清掃員「家庭ゴミにぬいぐるみが増えている」“ぬい活ブーム”の功罪を考える。人形供養するお寺に「無断で放置する」ケースも

「カービィ」が好きだからこそ、つらい瞬間が

ぬいぐるみは物であっても、動物や人を模した形をしている。“顔があるもの”を捨てる瞬間には、清掃員としても複雑な思いがあるようだ。 「やっぱり、普通のゴミとは違って心がチクっとしますよ。星のカービィは昔から好きでゲームもよくやっていたので、カービィが入っているゴミ袋を収集車に飲み込ませるときに、ギリギリで思わずストップボタンを押してしまいました。でも、仕事なので結局は飲み込ませないといけないんですが、プレスされていくのが忍びなかったですね」(タケウチパンダさん) 中には、“捨てた人の思い”を感じ取ることができるゴミも。 「くまのプーさんがゴミ袋に入っていた事があるんですが、収集車に入れようとしたら『カツッ!』という音がしたんです。これは、不燃ゴミが混ざっている時の音なので、袋を開けて中を確認しました。すると、一緒にはちみつの瓶が入っていたんですよ。おそらく、亡くなった人の棺桶に、故人の好きだったものを入れるような感覚で、一緒に入れたんだろうなと思って……グッときましたね」(タケウチパンダさん) そうした思いを感じながらも、瓶は不燃ゴミであるため、やむなく分別して収集されていったのだという。

“捨て方”問題に正解はあるのか

ぬいぐるみに関わるこうした心情から見ていくと、ぬいぐるみは単なる綿の集合体ではない。清掃員の方の心の負担を、少しでも軽減するためにも、ぬいぐるみや人形は布や新聞紙などにくるんで捨てる方がいいのかもしれない。 「ある時、アンパンマンのぬいぐるみがプレス機で首だけちぎれるのを見たりしたこともあって、確かに姿が見えない方がありがたいですね。それに、可燃となると、生ゴミと一緒になるので、回収した時点で生ゴミの汁でグチャグチャになったアンパンマンとかも、見てて気持ちがいいものではないです」(タケウチパンダさん) とはいえ、ぬいぐるみ好きの秋津さんは、やや厳しい視点を持っていた。 「僕は、ぬいぐるみを捨てることはありませんが、万が一あるとしたら、少しでも苦しまないように配慮すると思います。ただ、姿が見えないように包むのは、あくまで自分が目を背けたいからであって、ぬいぐるみのためというのは、言い訳のようにも感じますね」(秋津さん)
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お寺に無断で放置されるケースも散見
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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