更新日:2026年01月05日 11:10
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家賃は「一軒家で2万5千円」離島に移住した30代女性が語る“自分らしい生き方”「東京は失敗できない空気があったが…」

イノシシとシカを狩猟で捕らえることも

えりやん

3機かけている罠のうちひとつ

――ダンス教室を運営されたり、テレビ番組のリポーターをされたりといろいろな活動をされていますが、狩猟もされているんですね。 えりやん:イノシシとシカの狩猟なのですが、罠をかけていて毎日見回りに行っています(※)。本来、罠をかけていい期間は年に3~4ヶ月(概ね11月~2月)ですが、対馬はイノシシやシカがとても多く、有害鳥獣捕獲の対象です。そのため、対馬市で登録している捕獲事業者はほぼ1年中罠をかけていいことになっています(3月後半の約2週間は禁猟期間)。ただ、罠を多くかけると見回りが大変になってしまうので、私がかけている罠は3機だけなんです。なので、なかなかかかりません。 ※夏頃から出張の機会が増えて罠の見回りが困難になったため、現在は罠をかけていない状態。 ――かかったイノシシやシカは、その後どうするんですか? えりやん:止め刺し(命を止める)した後、捕獲したことを証明し補助金をもらうために、動物の体にスプレーで日付を書いて写真を撮ります。お肉を活かすことも一考なのですが、埋めている方が多いと思います。私が一番お世話になっている猟師さんは、イノシシは食べるけどシカはあまり食べない方で、イノシシは背ロースだけを取って埋め、シカはそのまま埋めたりしています。 「獣害を獣財へ」というコンセプトを掲げている事業者など、ジビエを活用してくださる事業者が島内に4社ほどあるのですが、対馬も大きいのでなかなか回り切れないんです。私が住んでいる上対馬でもジビエの活用を進めていきたいという意見はありますし、島の課題の一つだと思います。

狩猟を始めた「二つの理由」

――そもそも狩猟を始めたきっかけは? えりやん:理由は二つあります。島おこし協働隊のメンバーで仲良しの子が狩猟免許を取得したのですが、福岡の美容室に行った時に「仕事は何されているのですか?」と聞かれて「狩猟です」と答えているらしく、その話を聞いてめっちゃかっこいいなと思ったのがまず一つ(笑)。  あと、イノシシやシカに農作物が食べられてしまったり、木材になるものをシカが角で傷つけてしまう問題、植物が枯れると根が細くなり、山から土がどんどん流れていってしまうことで海の生態系を変えてしまう問題などがあり。なんとか解決していきたいと思ったのが二つ目の理由です。  イノシシやシカの適正頭数が出ていたりするのですが、それが誰にとって正しい数字なのか正直わからないと思うんです。ただ、数を減らせれば農作物や自然に与える悪影響を少しでも食い止められるのかなと思うと、狩猟をやってみようかなと。あと、ハンターさんの平均年齢は高いだろうなと思っていましたが、若い世代もけっこう興味を持ったりもしていますし、決してハードルは高くないんだということも含め、狩猟の仕事を伝えることもしていけたらと思っています。 ――罠の免許はすぐに取得できるものなのですか? えりやん:勉強は当然必要ですが、1ヶ月くらい集中して取り組めばそれほど取得は難しくないと思います。試験にエントリーした際に『狩猟読本』という本を頂いたのですが、その中にある「罠」の項目を熟読しました。  狩猟以外にも消防団では幹部を務めさせていただいたり、市民劇団ではお芝居のお稽古に励んでいますし、地域での活動は忙しいのですが、「なぜ、こんなにも面白いんだろう」って最近思ったんです。移住してきた人間ならではの感覚なのかもしれませんが、挑戦することが多いと楽しいんです。
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東京より「島にいるほうがラク」
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千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界を経て起業。「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ・ニュース系メディアで連載企画・編集・取材・執筆に携わる。X(旧Twitter):@buhinton
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