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「ドキュメント72時間」がきっかけで観光スポットに。伊豆にある“もっともイカれたミュージアム”の正体

ここにしかない見どころが多すぎる

まぼろし博覧会

植物がはびこる大仏殿。意味のない飾り付けも大量

 熱帯植物園の巨大な温室は、「大仏殿」ゾーンとして活用されている。植物園時代の草木が繁殖してジャングルのようになった室内には、高さ10mの巨大聖徳太子像がそびえている。そのままだと天井を突き破るため上の方を少し削っているらしい。密林にはモアイ、スフィンクス、オルメカ巨石人頭像、ハニワ像などもいて雑多な古代文明風。もちろんここにもマネキンは随所で来訪を待っている。  高台の拡張されたエリアでは、「ストリップ劇場記念館」が秀逸。閉業した劇場のネオン看板や特大プレート、小屋の中にはリアルなミニ舞台(ストリッパー風に自撮りできる)や入場切符自販機まで置かれていて貴重だ。壁には当時の張り紙もあれば、新たにまとめたストリップの解説も充実していた。秘宝館のマスコット、ニコニコ顔の秘宝おじさんが草むらに無数に生えている「おじさんの森」は見ているだけでハッピーになる。大量の人形が並ぶ「おばあちゃんの部屋」、起き上がり人形ばかり集めた「赤ちゃん人形館」も数に圧倒される。 

「ドキュメント72時間」がきっかけで観光スポットに

まぼろし博覧会

昭和のセットが並ぶゾーン。学生運動のセットでは火炎瓶が並ぶ

 オーナーの鵜野義嗣氏は青いウイッグにセーラー服姿のセーラちゃんとしてお客さんに大人気だが、元は長年データハウスという出版社の社長で、アンダーカルチャーな本を多数発行してきた。よくあるレトロ博物館や資料館ではありえない性風俗や学生運動(火炎瓶やアジトの再現もある)から、ふつうなら使用済みとして廃棄される生活用品まで、ありとあらゆるものを人間の生きた記録として展示しているのも、そんなバックグラウンドがあるからなのかもしれない。
まぼろし博覧会

昔、鵜野氏が運営していた旧ペンギン博物館のオブジェも健在

 こんな怪しげな展示施設が、2022年にはNHKの番組「ドキュメント72時間 ゆめまぼろしのテーマパークへようこそ」でも取り上げられ、全国からお客さんが訪れる伊豆の有名観光スポットとなった。だが、驚異的な展示品の数に比してスタッフはごくわずか。  各展示施設の清掃・メンテナンスは必要最低限なこともできていない。エアコンもなく、ところどころ雨漏りもし、あちこちで廃墟感が漂っている(それも魅力的と感じる人がいるのも事実だが)。現実にある場所なのか夢の中にいるのか虚実皮膜で、まさに「まぼろし博覧会」なのである。 <TEXT/関口勇>
『ワンダーJAPON』編集長(フリーランス・発行元はスタンダーズ)。廃墟、B級スポット、巨大構造物、赤線跡などフツーじゃない場所ばかり紹介。武蔵野美術大学非常勤講師。X(旧Twitter):@isamu_WJ
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【まぼろし博覧会】
静岡県伊東市富戸1310-1
冬期間 令和7年3月19日 AM9:30~PM17:00
夏期間 令和7年3月20日~9月23日まで AM9:30~PM17:30
大人1400円(2024年1月料金改定):小中学生600円
伊東駅からはバス又はタクシー

【近刊情報】
『ふだん着で行ける秘境 ニッポンの異空間』(大和書房) 2026年2月発売予定
ワンダーJAPON12号は2026年3月ごろ発売予定