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“あおり運転”の末に起きた最悪の事故「運転手と勤務先の社長が病室まで謝罪に訪れ…」

背後から迫ってきたタンクトレーラー

バイク 佐藤遼太さん(仮名・20代)は、仕事を終え、いつも通りにスクーターで帰宅していた。 「ゴールデンウイーク最終日で、道がいつもより混んでいたんです」  渋滞している中、背後からタンクトレーラーが近づき、距離を詰めるような走り方をしてきたという。 「近すぎて、明らかに圧をかけられている感じでした」 「混雑で苛立っているのかもしれない」と佐藤さんは考えた。しかし、速度を上げられる状況ではなく、どうすることもできなかった。

右折レーンの信号待ちで起きた“最悪の事故”

 しばらくして信号が赤に変わり、佐藤さんは右折するために右折レーンへ移った。タンクトレーラーも同じレーンに入り、真後ろで止まった。  右折信号が点灯し、発進しようとアクセルをひねった瞬間だった。  背後から強い衝撃が走り、体が押しつぶされる感覚が走ったのだ。 「え、今ぶつかった?って、頭が追いつかなかったです」  そして、足に激痛が走る。このとき佐藤さんは、路上に投げ出されていた。冷たい雨と、アスファルトの感触がはっきり残っているという。 「足が痛い、血で温かい、動かない……もうダメかと思いました」  周囲のドライバーたちが車を降り、声をかけてくれたそうだ。 「大丈夫ですか!」 「がんばって!」  救急車で大学病院に搬送され、入院は合計3か月ほど。手術も複数回に及んだ。「正直、相手が憎くて仕方なかったです」と佐藤さんは振り返る。  事故から2か月ほどが経ってから、運転手と勤務先の社長が病室まで謝罪に訪れたという。佐藤さんは淡々と、自分の状態と治療の経過を伝えた。 「この3か月、どれだけ苦しい思いをしたかを、全部話しました」  その後、運転手は免許を返納し、仕事も失ったと聞かされた。 「自業自得だと思います。“あおり運転”って、相手も自分も、一瞬で壊すんですよ!」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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