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序盤は目が離せなかった『ラヴ上等』が、途中で“普通の恋リア”のようになってしまったワケ「ヤンキーもギャルも意外と…」

「水はヤベえだろ」で『ラヴ上等』の世界観が成立

 女性陣のほうでも1人の転校生が途中参加した。エピソード4から登場した27歳のショーダンサー「あも」だ。  メンバーは彼女を迎え入れるべく、あもが働く六本木のクラブを訪れた。全員が客席で見守るなか、ショーダンサーとして取り組むパフォーマンスを披露したあも。  その最中、客席にあもが水を飛ばす演出があり、これがベイビーの逆鱗に触れてしまった。3回も水を飛ばされ、怒髪天を衝く勢いでブチギレるベイビー。あもが自己紹介のために近づいてきた途端、彼女は自分が飲んでいた氷入りのレモンサワーとコップをあもへ投げつけた。  そのまま店を後にするベイビー。心配して後を追ってきたメンバーに、彼女が怒りの表情で「水はヤベえだろ」と口走ったシーンは『ラヴ上等』随一の名場面である。  たしかに、ショーダンサーの尻や素足が浸かった濁り色の水をかけられたら不快になる人もいるだろう。そんな思いから発せられた「水はヤベえだろ」。この怒りの一言に対し、スタジオにいるMC・永野が被せた「グレムリンかよ」という指摘は大正解すぎる。  さらにすごかったのは、「水はヤベえだろ」の後にベイビーが口にした「水きめえだろ」という言葉だ。水をかけられたのは嫌かもしれないが、「水がキモい」という世界線はまったく理解不能。水に罪はないのに「水はきめえ」と乱暴にキメウチしてしまうあたり、とことん『ラヴ上等』的だ。  そして、その後に続く「水かけてくる奴、一番嫌いなんだよ」というぼやきは、我々にはまったく意味がわからない。聞いたことのない吐露である。

炎属性のヤンキーに水は厳禁

 作品全体を考えるうえでも、エピソード4はターニングポイントだった。男性陣に比べてヤンキー感が足りていなかった、それまでの女性陣。しかし、おっとりキャラだったベイビーも、実はしっかりヤンキーだった。それが、ここで明らかになった。『ラヴ上等』の世界観を成立させるうえで、非常に有益な覚醒だったと思う。  あと、水をかけられた直後にあもへガンを飛ばすベイビーのにらみ顔は本当に美人だった。さすが、ヤンキー。炎属性のヤンキーに水は厳禁。だからこそ、このパンチラインは生まれたということ。  恋リアに沿った解釈をすると、それまでベイビーといい雰囲気だった27歳の男性「二世」があもを見た途端「かわいい」を連呼していたのもおもしろくなかったはず。ベイビーがマジギレした瞬間、隣にいた二世が「見てはいけないものを見てしまった」という表情をしていたのも見逃せない。
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逆効果だった「体を擦り寄せるスキンシップ」
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1978年、東京都生まれ。2008年よりフリーライターとして活動中。得意分野は、芸能、音楽、(昔の)プロレス、ドラマ評。『証言UWF 最後の真実』『証言UWF 完全崩壊の真実』『証言「橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退!」の真実』『証言1・4 橋本vs.小川 20年目の真実 』『証言 長州力 「革命戦士」の虚と実』(すべて宝島社)で執筆。

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