ライフ

「タトゥーが心の支えに」全身タトゥーの女性彫師が大切にする仕事の流儀。「今は入れないほうがいい」と伝えることも

顔には“ティラノサウルス”と“逆トラバサミ”

左手の甲に自身で彫ったタトゥー

左手の甲に自身で彫ったタトゥー。ピカソの「泣く女」がモチーフになっている

ーーご自身に彫られているタトゥーの中で、一番気に入っているものを教えていただけますか? アラレさん:気に入ってるタトゥーは、自分に彫っているものすべてです。 私にとってタトゥーは、体のうえに乗っている絵を通り越して、自分自身っていう感じ。心とも切り離せない存在です。 ちなみに、首や足、お腹や腕、あとは顔にもタトゥーが入っています。足は基本的に自分の練習で使っています。
ティラノサウルスの化石

顔の左側には「ティラノサウルスの化石」が彫られている

逆トラバサミ

右頬には「逆トラバサミ」

ーーお顔にもタトゥーが入っていらっしゃいますが、なにをイメージされた絵柄でしょうか? アラレさん:左側にはソウ(Saw)という映画に登場する『逆トラバサミ』を、右側にはティラノサウルスの化石を彫りました。 日常でインスピレーションを受けたものを自身に彫ることが多いです。

「今は入れないほうがいいと伝えること」も仕事

仕事中のアラレさん

施術中のアラレさん

ーーお客さまへの施術を行うときに、大事にされているポイントはありますか。 アラレさん:3つあります。まず、タトゥーは体に残るものなので、それを踏まえてバランスを見たり、時間が経ってもきれいに残るデザインをご提案しています。 2つ目が、痛みの感じやすさにつながるので、お客さまの体調をこまめに確認すること。 3つ目は、タトゥーで後悔してほしくないので、カウンセリングの段階で「このまま進むと後悔してしまう」と感じたお客さまには、施術を見送るようお話する場合があります。 ーー3つ目の「後悔するかもしれないお客さま」とは、どのようなケースでしょうか。 アラレさん:たとえば、タトゥーを入れることについて「まだ迷いが大きい」「周囲の意見に気持ちが揺れている」と感じられる場合です。 心の整理がついていない状況で決めたタトゥーは、数年後に大きな後悔につながってしまう可能性があります。 彫師として私は「タトゥーを入れること」だけでなく「今は入れないほうがいいと伝えること」もまた、重要な仕事だと考えています。 ーータトゥーと向き合う姿勢に、強い責任感を感じます。 アラレさん:タトゥーは、人生に長く関わり続けるものです。その瞬間の勢いやノリだけで終わるものではなく、何年も、何十年もその人の生活や気持ちと一緒にあるものだからです。 だからこそ簡単に勧めるものでもないですし、しっかり考えてもらう時間が必要だと思います。
次のページ
かわいくてポップなタトゥーにこだわりたい
1
2
3
韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。ギャルやゴスロリなどのサブカルチャーにも関心があり、日本文化の逆輸入現象は見逃せないテーマのひとつ。X:@bleu_perfume

記事一覧へ