更新日:2026年01月23日 18:19
恋愛・結婚

「医者はモテる」はもう古い…“結婚できない医者”が増加しているワケ。地位や名声はむしろ「足かせ」に

今時の若手医師は恋愛に不得手!?

南さん。職場はビジネスと割切り、「自分から看護師に声はかけないようにしている」と話す

 「『医師であればモテる』といった考えは、確かにもう古いかもしれません。僕の場合は婚活がうまくいかず、一時は結婚を諦めようかとすら思いましたから」 そう話すのは、大学病院勤務の内科医・南俊太さん(仮名・30代前半)。色白で、内気な印象を受ける南さんは約2年前、親の薦めで婚活をスタートした。’25年末、結婚相談所で出会った女性看護師とどうにか婚約にこぎつけたものの、道のりは艱難辛苦だった。 「初めに登録していた医師専門の会員制相談所では、ほかの相談所の女性と半年間の交際を経てプロポーズまで進みました。それが返事を保留されたかと思ったら、その女性が所属していた相談所を突然退会してしまって……。呆然とするうち、1年余りが過ぎました。結婚相談所を変えてお見合いを再開してもなかなか交際には至らず、焦りが募りました」 職場での出会いはないのか南さんに聞くと、「まず期待できません」と即答した。 「自分が所属している医局の若手医師は内向的な『陰キャ』が多く、異性に気軽に声をかける文化がありません。今時は職場で下手に恋愛や結婚について聞くとハラスメントになりかねませんから、飲み会でもその手の話は基本出ません」 職場という狭いコミュニティの中で恋愛沙汰が起きれば、仕事そのものがやりづらくなる。とりわけ医療現場の場合は上下関係と患者対応が絡むため、究極的には患者の人命を左右することになりかねない。何か言われるより先に、職場恋愛は「初めから避ける方が賢明」との認識が広がっている。

患者とは「1対1」で会わないように徹底

取材では、特に年配の医師から「ハラスメント」と訴えられることへの恐れが語られた。 「開業医の場合、自分の身は自分で守らないといけません。ハラスメントや風評被害について、かなり神経質になっている部分はあると思います」 関東近郊で内科系クリニックを運営する柴田元孝さん(仮名・50代前半)は言う。プライベートでは離婚を経て、結婚相談所で出会った女性と’25年に再婚した。柴田さんの場合、同僚であれ患者であれ、仕事で接する相手は「恋愛対象として見ない」との方針を貫いているという。 「特に気をつけているのは対患者。診察時には必ず看護師をそばに置き、『1対1』にならないよう徹底しています。診察上、胸を見る必要がある場合も毛布をかけて下着は見えないようにするなど、『必要最小限』も意識しています」 ‘16年には、手術中に「胸を舐められ、自慰行為をされた」として、都内の病院に勤める乳腺外科医が女性患者からクレームをつけられ、その後準強制わいせつ罪で起訴される事件が起きている。’25年には医師の無罪判決が確定したが、柴田さんは言う。 「自分もいつ同じような訴えを受けるかはわかりません。万が一に備えて証言者を立てておくことは、常日頃からとても大事なので……。患者と院外で会う? そんなのもってのほかです」
次のページ
医師へのプレッシャーを強める要因となっているもの
1
2
3
【関連キーワードから記事を探す】