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過去5年間のSNS履歴の提出、教育現場での禁書…アメリカで進行する言論統制。日本人も他人事とは言い切れない理由

LGBTQや人種をテーマにした書籍が「禁書」扱いに

アメリカ・テキサス州の本屋(鈴木さん提供)

「表現の自由」に圧力がかけられているのは、移民だけではない。アメリカの学校や地域の図書館では、有色人種やLGBTQをテーマとした書籍を「禁書」扱いする動きが急速に進行しているという。  編集者やライターらで組織し、表現の自由の保護に国内外で取り組む非営利団体「ペン・アメリカ」が’25年10月に発表した報告書によれば、’24年7月〜’25年6月にかけてアメリカの学校で禁書となった事例は6870件にのぼり、うち3752タイトルの書籍が撤去された。 「禁書」は、23州の87公立学校区で確認され、フロリダ州が2304件で3年連続の1位。次いでテキサス州が1781件、テネシー州が1622件と、保守色の強い3州が、全体の83%以上を占めた。「ペン・アメリカ」は「禁書がアメリカ社会のニューノーマルになっている」として警戒を強めている。鈴木さんは言う。 「アメリカでは『禁書』の動きは以前からありましたが、トランプ大統領が政治の表舞台に現れてからさらに目立つようになりました。’21年以降は、州レベルで書籍の規制を可能とする法律が次々に成立しています。流れは様々で、保守系団体が学校や公立図書館に直接クレームを入れ、校長や館長がそれに従って本を撤去するケースもあれば、州法などに基づき、保守系団体が行政に異議申し立てを行った上で撤去されるケースもあります。申し立てが受理されると審査結果が出る前に撤去されるため、事実上、審議は行われずに撤去がそのまま放置されたり、トラブルを恐れて校長や館長が自主的に撤去してしまったりするケースもあるようです」
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