更新日:2026年01月20日 11:06
エンタメ

異色の“車いす漫才コンビ”が語る「笑っていい空気」の作り方。“配慮”を笑いの武器にするまで

一括りにされたくないから、独自の個性を貫く

爆走マシン

「誰かを楽にする」より、「やりたいことをやる」スタンスだ

ーーキツくつっこまれたり、ディスられても笑えるようなネタを作られていると思います。ただ、車いすを使われている一般の方にとばっちりがいかないように気を回さないといけないですよね。 車太郎:例えば、素行の悪い人がいたら「だから○○の人は」って属性を使って非難されたりしますよね。みんな他者をカテゴリで見てしまうので、そこは気を使いますね。 坂井宣大:ただ、各方面を気にしすぎると面白さも減ってしまうので、まずは気にせずに作ってから、その後どう考えるかですね。 車太郎:思いっきりはやるんですが、「常に迷っておく」ことは大事だと思っています。思い切りながらも最大限の配慮を。 ーー R-1王者の濱田祐太郎さんは盲目です。カテゴライズという意味では「障がいのある芸人さん」と一括りにされてしまうことはありませんか? 車太郎:濱田さんがR-1で優勝された頃は、ネタ見せに行くと作家さんなどから「濱田君はこうしてた」と言われることが多かったですね。僕からしてみると、細かいところは全然違うのにと思うんですが。 ーー個人として見てもらえてない感覚ですかね。 車太郎:ただ、苦労を重ねてチャンピオンにまでなられているので、濱田さん自身のことは、ひたすらかっこいいなと思います。

メッセージより笑い。芸人としての純粋な欲求

ーー芸人として「ただただウケたい」という気持ちが根底にあるはず。でも、世間は「障がいを乗り越えて」とか「差別のない世の中に」のような、真面目なメッセージを乗せてセンチメンタルな方向に引っ張りがちでは? 車太郎:それはあって、いつも抗おうとしていますね。 ーー実際のところ、「障がいのある人も生きやすい社会を」という主張を伝えたいですか? それとも、シンプルに笑ってほしいですか? 車太郎:「誰かを楽にしよう」という思いを念頭に置いてはいませんね。でも、自分がやりたいことをやって、結果的に楽になってくれる人がいるなら嬉しいです。 ===== “普通との違い”を武器にすることへの覚悟と執念。ようやく車輪が噛み合い始めた爆走マシンは、これから唯一無二の走りを見せるのではないか。さらなる活躍に期待が高まる。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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