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立体駐車場のスロープで逃げ場もないのに“あおり運転”してきた車の意外な末路「周囲を気にしてオドオド」

細い道の先ではじまった異変

 佐々木麻衣さん(仮名・30代)は、夫と2人の子どもを乗せて車を走らせていた。目的地は、家族でよく訪れる近所のパン屋だった。  自宅から坂道を下った先にある交差点で、異変が起こる。そこは車1台がやっと通れるほどの細い道で、どちらかが譲らなければ通れない場所だ。 「向こうから来た車が、こちらの道に入りたそうにしていました」  相手は右ウインカーを出していたが、佐々木さんが進まなければ入れない。助手席の夫が、バックするようにハンドサインを送った。 「その車は、いったん下がってくれました」  しかし、佐々木さんが通り過ぎたあと進路を変え、“なぜか後ろに”ついてきたそうだ。 「偶然かと思っていました。でも、蛇行するような運転をしてきたんです」  不安を抱きながら運転していると、その車は佐々木さんを追い越して急停車した。

事故現場にいた“見覚えのある車”

 後続車もいたため、佐々木さんも止まらざるを得なかった。震える足でブレーキを踏み続けていると、車から男性が降りてきたという。 「大きな声で何か叫んでいました。内容までは覚えていません」  子どもたちに危害が及ぶかもしれない。その恐怖が先に立ち、佐々木さんはその場で“110番通報”をした。 「とにかく、警察に連絡しなきゃと思いました」  通報していることが相手に伝わると、男性は捨て台詞のような言葉を残し、車に戻って走り去ったそうだ。  後日、通報履歴が残っていたため、佐々木さんは警察署で事情を説明した。「違反として立件するのはむずかしい」と言われたという。 「警察は、『同じようなことをほかでもしている可能性はある』と話していました」  自宅から近い場所での出来事だったこともあり、しばらくは「再び遭遇するのではないか」という不安が続いた。  それから約2週間後、出勤途中の道で偶然“見覚えのある車”を目撃。 「事故を起こして、道の端に止まっていました。詳しい状況はわからなかったですけど、ナンバープレートを見て“あのときの車”だと気づきました」  大きな事故になっていないことを願いつつ、怖かった相手だっただけに佐々木さんは複雑な気持ちになったそうだ。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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