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“おにぎり偽装”が招いた、ミニストップの巨額赤字。深夜に「一人で70個握る」現場の悲鳴…揺らぐコンビニのビジネスモデル

「作業効率」を優先した現場の切実な背景

 今回の偽装問題は、手づくりおにぎりの消費期限のラベルをすべて作り終えてから貼ったなどというもの。通常のオペレーションでは、1つ作ったらラベルを貼り、次を作り終えたらラベルを貼ります。これを、すべてのおにぎりを作り終えた後、一斉にラベルを貼っていたことが明らかになっており、数時間程度のズレが発生していたのです。  他にも、一度売場に陳列した商品に再度消費期限が記載されたラベルを貼り付けるなどの事案がありました。  ミニストップは2024年度の国内総店舗数が1848で、85%はフランチャイズ加盟店が占めています。偽装問題が起こった25店舗はフランチャイズの店。現場サイドが独自で判断し、問題行動を起こしてしまったという実態が明らかになりました。  それはそれでもちろん問題なのですが、ポイントは店内調理というオペレーションの負荷が高いことです。手づくりおにぎりは、毎晩60~70個一人で作っているケースもあり、現場の負担が重いというのが実態です。

管理強化で不正は防げるか、試される底力

 ミニストップはおにぎりや弁当以外にも、「ハロハロ」やパフェなどのコールドスイーツ、ホットスナック、クリームコーヒーなど、提供に手間のかかる商品を出しています。今は人件費が高騰しているうえに人材も集まりづらい状態が続いています。今回の偽装問題は、コンビニにおいてオペレーション負荷が高い状態を維持することの難しさが露見したと見ることもできるのです。  ミニストップは「作業効率を上げるため」「廃棄を減らすため」という現場の動機に対して、監視体制の強化、教育指導の徹底という解決策を導き出しました。これによって完全に解決しきれるのかどうか、ミニストップの底力が試される局面でしょう。
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インフレが変えたコンビニのビジネスモデル
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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