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“無言の圧力”で脂汗が…50代男性がスーパーで「二度と味わいたくない」と感じた出来事「たった数十円のことで…」

背後に並ぶ列から突き刺さる無言の圧力

 ふと背後に気配を感じて振り返ると、数人の客がカゴを抱えて並んでいた。 「ポイント2倍DAYだったので、いつもより混んでいたんです。後ろの方たちの『早くしてくれよ』という表情から、早くしてくれよと思っているのが痛いほど伝わってきました」  店員も、困ったような、気まずそうな顔で手持ち無沙汰にしていたそう。時間にしたら、わずか30秒ほどだったかもしれない。佐藤さんにとって、その時間は永遠のように長く感じられたという。 「ただのポイントカードなので、数十円にしかならないんですよね。でも、妻との約束だし、ギリギリまで粘ったのですが…」  葛藤する佐藤さんだったが、突き刺さる無言の圧には勝てなかった。

逃げるように店外へ。妻は落胆「あんなに言ったのに」

「すいません。ポイントなしでお願いします」  佐藤さんが、絞り出すようにそう告げると、店員は少しホッとした顔で会計を進めた。支払いを済ませて袋詰めの台へ移動すると、止まっていた後ろの列がようやく動き出したという。 「もう、逃げるように店を出ました。あの時の空気は、もう二度と味わいたくないですね」と言う佐藤さん。  試練はまだ終わっていなかった。帰宅後、妻への報告が待っていたのだ。 「ごめん。ポイント、つけられなかった……」  正直に話したという佐藤さん。妻は、怒るでもなく、ただ深くため息をついたという。 「妻の表情は、『あんなに言ったのに』という感じの落胆した表情でした。レジでの失敗以上に、胸に突き刺さりましたよ。あれからは、店に入る前どころか、家を出る前には必ずアプリを開いて確認するようにしています」 =====  レジ前でスマホを握りしめて焦る人に対して、イライラすることもあるだろう。ただ、自分もいつか“待たせる側”になる可能性を秘めているからこそ、多少大目に見てあげても良いかもしれない。 <TEXT/maki>
ライター・エッセイストとして活動中。趣味は人間観察と読書。取材からエッセイ、コラムまで幅広く執筆している
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