仕事

「イエスかハイか喜んで」男社会の“ガテン系”会社に入社した金髪娘…母と変えた“空気”「噂話やいじめは絶対に許さない」

「自分たちの仕事は底辺」職人の言葉に受けた衝撃

夫が存命のとき、美幸さんは社員から忘れられない言葉を聞いた。「俺たちの仕事は底辺だからな」看護師として働いてきた美幸さんにとって、その言葉は衝撃だった。 日本のインフラを支える職人が、なぜ自らをそう呼ぶのか。「業界を変えなければいけない」という覚悟は、その瞬間に固まったという。

親娘で取材を受けるのは初めてという2人。言葉を選びつつ語ってくれた

ーー建設業界の中では松伸のような会社はまだまだ異色だと思います。今後の仕事で、お2人なりに取り組みたいことはありますか? 美幸:以前、うちの会社で働く職人さんから言われた中で忘れられない言葉があるんです。「自分たちの仕事は底辺だから」って……。おかしくないですか? 日本の職人技術って、世界に誇れるものなのに。本人がそう思わされてる社会が、私はすごく申し訳ないと思ったんです。 だからこそ、まずは、うちの会社から、「俺、この会社で働いてるんだ」って胸を張れる場所にしたいですね。 ーー七海さんは? 七海:私は事務員さんと同じフロアで働く職員でありながら、会長である母との距離も近い。そのポジションを活かし、社員の皆さんの声を聞きながら、取締役との橋渡しができる存在になれたらいいなと思っています。 厚生労働省の発表によれば、建設業の管理職に占める女性の割合は、いまだ1割に満たない。数字だけ見れば、変化はわずかだ。だが、金髪で出社する女性社員と、看護師出身の女性会長が並ぶ建設会社は、確実に“前例”をつくっている。 「自分たちは底辺だ」と言わせない会社にしたい。そう語る母と、「印象に残らなかったら負け」と笑う娘。男社会のど真ん中で、この違和感はまだ小さい。だが、変化はたいてい、違和感から始まる。 <取材・文/田中慧(清談社)>
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