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「大盛りの牛丼」を「ウォッカ」で流し込む…激務で学生時代から“30キロ増えた”20代男性が、最悪のルーティンから抜け出せなかったワケ

完全にアル中に…そして体重は30キロ増加

そのような毎日を送っているのだから、家に帰る頃には疲れでフラフラになり、ストレスで腹が痛む。その疲れとストレスから逃れるために酒を飲むものだ。 当時はまだ学生のときの名残で、350mlのウォッカを毎日半分飲んでいた。もう深夜に空いてるお店はほとんどなかったため、コンビニや牛丼屋でカロリーの高い弁当を買って帰る。 大盛りの牛丼を一気にかき込んで、間髪入れずにウォッカを流し込む……。そうすることによって、腹の中にあるストレスが一気に体中に散らされるような気がしたのだ。これほど心地が良いことはない。友達がいなくても、ひとりで十分楽しめるのだ。 日付が変わってから飯を食い、昼前に起き上がったところで、酒は抜けていないし、胃袋の中も前日食べたものでパンパンだ。タバコも吸っているため、歯磨きをしながら、舌を磨くときは、嘔吐しているかのように声を出しながら、嗚咽していていた。 それでも、やりたくもない仕事をやっているよりは、終わっていながらも、このような生活を送っているのも楽しい。ただ、こんな毎日送っていたせいで、学生時代から一気に30キロも増えてしまった。 真夜中にそれだけ食べているのだから、朝も昼も食欲が湧かない。それよりも、勤務中は昼食も取れないほど忙しかったのもあるが、なぜか人が働いているオフィスで食事をすることができなかった。 そして、ウォッカをかれこれ6年くらい飲み続けていると、そろそろ身体にも影響が出始める。学生時代と違って、朝起きても疲れがまったく取れなくなり、息切れと動悸は激しくなる一方だ。そのせいで、電車で通っていたにも関わらず、会社に着く頃にはもうグッタリしている。 酒が抜けていないため、体調もまともではなく、朝から晩まで取材の日もあったが、物理的にも精神的に重たい身体に鞭を打ちながら、酒で焼けた喉から声を絞り出して、話を聞いて回った。 酒を飲まずにシラフになれたのは、徹夜した校了日くらいなので、単純計算で年に12回しかない。それ以外は毎日、ウォッカを半分飲み干し、それでも眠れない日は一瓶飲み干した。さすがに、アルコールが抜けきれないため、翌日はふわふわ浮いた気分と、気持ちの悪さを感じつつ、仕事をしていた。

取材先で「うちの患者かと思った」と言われる

そんな中、巷では「ストロング系缶チューハイ(以下、ストロング系)」の危険性を煽る風潮になってきた。 NHKの『ニュースウォッチ9』でも「若者を中心に愛飲されている」と特集され、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部長、薬物依存症センターセンター長である松本俊彦氏は自身のFacebookで「ストロングZEROは「危険ドラッグ」として規制した方がよいのではないか」と主張していた。 「へぇ。そんな、ヤバい酒があるのか」 幸か不幸か筆者はギルビーのウォッカがどのコンビニであれば置いてあるのかということにしか、興味を持っていなかったため、ストロング系のトレンドをまったく追えていなかった。 そこで、この社会現象に興味を持った筆者も後追いで、「ストロング系の危険性」を促す企画を提案したところ、面白がられて通ったため、取材を始めた。 科学ライターや社会学者、酒文化に詳しい編集者などに話を聞くと同時に、アルコール依存症治療で有名な病院の医師にも話を聞くことになる。 その頃は年末でとにかく忙しかった。そこで、取材の前日、景気付けにウォッカを一瓶飲み干して、翌日の医師の取材に備えた。今考えるとかなり、挑発的な行動である。 そして、翌日。取材時間になり、医者の診療室に入ると、開口一番こう言われてしまった。 「あなた記者なの? いや、びっくりした。うちの患者かと思ったよ。だって、顔色が悪すぎるよ」
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ストロング系にハマり、さらなるドツボへ
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編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。出版社に勤務する傍ら、「ARBAN」や「ギター・マガジン」(リットーミュージック)などで執筆活動中。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)がある
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