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日本人を騙したカネが日本の不動産に化ける…カンボジア特殊詐欺幹部が狙う“逃亡先”

特殊詐欺のルーツは台湾説

   事実、特殊詐欺集団幹部の動向は、日本でも観測されていた。中国に詳しいジャーナリストの周来友氏が語る。 「陳志が逮捕されるより少し前から、経営管理ビザを使った事実上の移住スキームが悪用されていました。これは資本金3000万円を用意し、日本人または永住外国人を雇用すれば外国籍でも合法的に日本に居住できるようになり、法人を設立できるという仕組み。中国や台湾黒社会の息がかかった行政書士や司法書士がいて、渡航からビザの手配までをコーディネートするんです」  詐欺で得た資金を持つ者が、日本で合法的な滞在資格と不動産を同時に手に入れられる仕組みが、整ってしまっているというわけだ。 「その際、行政書士らは日本の不動産の斡旋も同時に行うのが常です。彼らは資金が潤沢にあるし、現金でない資産を保有したがっている。実需で住む用には松濤や青山、神宮前といった静かで目立たない高級住宅地の物件を。投資用には、湾岸のタワマンを買い漁るケースが多いと聞きました。中央区などタワマンが密集するエリアを夜歩くと電気のついていない部屋の数の多さに驚きますが、〝買われたけど人が住んでいないタワマン〟の一部はこうした所有者のモノなのかもしれません」  警察庁によると、2025年の日本での特殊詐欺やSNS型詐欺の被害金額は、3241億円にものぼる。むろん、その全てがカンボジアに起因するわけではないが、大部分は東南アジアが源と見られ、看過できない状況だ。周氏が続ける。
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今年3月、詐欺拠点から押収された資料。日本語が書かれており、今も現在進行形で起きている事案であることが生々しく感じられる

「特殊詐欺の原型はオレオレ詐欺ですが、発祥は台湾だと言われています。台湾国内で猛威をふるったあと、規制が厳しくなったため、詐欺グループは言語が近かった福建に移り住み、そこからスキームが伝播していった。中国、カンボジア、バヌアツやキプロスと国籍が都合に合わせてロンダリングされてますが、ルーツは台湾にあるというのが定説です。今、カンボジアで起こっている日本を標的にした特殊詐欺でも、日本の暴力団は台湾系マフィアと密接に連携をとり、かけ子を送り込んでいると聞いています。  とはいえ、日本人を騙したカネで日本の不動産が買い締められている今の状況は、皮肉にも程がある。晴海フラッグの分譲抽選でも、多くの中国系企業が当選し、日本人に回らなかった。結果として不動産価格が高騰するとあっては、二重に苦しめられている構図にも見えます」  日本人が騙し取られた巨額の資金が、海を越えてロンダリングされ、再び日本の土地を買い占める原資となるーーこの絶望的な循環は、一刻も早く断たねばならない。 【カンボジア日本人会会長 小市琢磨氏】 カンボジアで日本人会会長を務め、現地の事情に精通。noteで「カンボジア太郎の備忘録」を執筆するなど、さまざまな情報を発信 【ジャーナリスト・周来友氏】 1963年、中国生まれ。私費留学生として来日し、1995年に東京学芸大学大学院卒業。司法通訳を務めるいっぽう、タレントとしても活躍 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/時事通信社
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