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「スマホ15台を契約した」25歳男性が“800万円の借金地獄”に陥ったワケ。「月に30万円以上の返済」2年で完済した方法

名義貸し詐欺で返済地獄に

U35貧困の惨状外資系の保険会社に勤める長谷川航大さん(仮名・25歳)も、学生時代に多重債務に苦しんだ一人だ。 「大学のときにモデルをしていて、投資のセミナーにも通っていました。そのなかで、インスタグラムでフォローしていた先輩のインフルエンサーから、『仕事を手伝ってもらえないか?』と声をかけられたんです。話を聞くと、立ち上げた芸能事務所で配信に使うスマホやタブレットが複数必要だから、僕の名義で購入してほしいと。端末代と通信費は請求できて、月5万円の報酬がもらえるならオイシイ投資だと思ったんです」 通信キャリアを回って、計15台をローン契約。先輩に渡すと、現金1万円を手間代として受け取った。 「月末の支払い請求が届いて『お金を振り込んでください』と連絡しても音信普通。200万円近い端末代と通信費の請求が来ましたが支払えず、遅延損害金を含めて数か月で800万円まで膨らんでいました。弁護士に相談したら、お金を受け取った時点で携帯電話不正利用防止法違反の疑いと言われて、泣き寝入りするしかありませんでした」 どうにかキャリアの契約は途中解約できたが、月に30万円以上の返済が始まった。 「親には頼れなかったので、家賃4万円の木造アパートに引っ越し。昼間は自動車工場、夕方から深夜までホストをしてお金をつくりました。当時は一日1食で、夜中3時にコンビニのゴミ箱に廃棄された食べ物を漁ってなんとか生き延びてました」 2年で完済したが体重は30㎏減り、あばらが浮き出るほどガリガリになった。そんな失敗を経験したが、「成功して早く金持ちになりたい」と、お金に対する執着心は変わっていない。現在、外資系保険会社の営業で得ている年収は300万円。長谷川さんは就業できたものの、若者食いビジネスに巻き込まれ、借金を返せず、貧困に陥る若者は後を絶たない。

貧困化する若者が増えた背景は…

そうした貧困化する若者が増えた背景を前出の西田氏は「コロナ禍によるオンライン化で騙しの手口が高度化したから」と分析する。 「時代の変化で変わったのは、コロナ禍でオンライン化が進んだことにより、実体のない匿名の相手であっても周囲に相談せずに信用してしまうようになったことです」 また、長期的な経済不況による将来の不安も大きな要因になっているという。 「若者のなかには、親世代を見ていて真面目に働いても豊かにならないサラリーマンはダサいという感覚がある。サラリーマン像の崩壊で、フリーランスや個人事業主など不安定な働き方も増えました。また、将来の不安を払拭するための副業や投資に対して、『リスクを取らなければ成功はあり得ない』という心理的な抑制力の欠如もある。心の隙間や環境要因が重なっている現代では、多重債務に苦しむ若者がさらに増える可能性はあるでしょうね」(西田氏) 借金による若者貧困の急増は、閉塞感が漂う日本で一発逆転を狙わざるを得ない現状を表しているのかもしれない。 【社会心理学者 西田公昭氏】 立正大学心理学部教授。詐欺、悪徳商法の心理学研究の第一人者。著書に『マインド・コントロールの仕組み』(カンゼン)など
U35貧困の惨状

社会心理学者の西田公昭氏

※2026年3月24・31日合併号より 取材・文/週刊SPA!編集部
―[U35貧困の惨状]―
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