エンタメ

ミセスの“一人勝ち”が招いた皮肉な現状。VIP客が大騒ぎ、花火で試合中断、体調不良者も…国民的アーティストが直面する「光と影」

潜在的に蓄積する「批判の声」

ミセス

MUFGスタジアムのサイトに掲載された「お詫び」

 しかしながら、これは諸刃の剣でもあります。数々の問題に対して当人たちがコメントをしたり、矢面に立ったりしてこなかったことで、潜在的な批判の声が蓄積しているからです。表立って“ミセスはひどい”と言う人はいなくても、これまでの経緯から“何かおかしくない?”と感じる人たちが増えている。それは熱狂的なファンの歓声にかき消される小さき声ですが、確かに世論に潜む感覚ではあります。  もちろん、誰からも愛されることは不可能です。けれども、ミセスと運営、そして彼らのファンは、そのような批判の声が存在することを認識できているのか。しかもそれは必ずしも的外れではないという冷静な客観性はあるのか、という点に疑問を感じてしまうのです。  確かに、数字の上ではいま一番売れているバンドなのは間違いありません。だからこそ、“国民的”と形容されるのでしょう。  ただし、ミセスを全肯定するファンの規模だけで“国民的”と呼ぶのは大きな間違いです。なぜなら、ファンの向こう側にいる、ミセスに無関心な人の数のほうが圧倒的多数だからです。彼らはミセスを好きでも嫌いでもありません。  その代わり、良識に照らし合わせて言動を冷徹に見つめています。ミセスの炎上ニュースのたびに、認識が形成されていくからです。  現状はファンの熱量が批判をかき消しているように見えます。  しかし、その怖さのないところで展開されるエンターテイメントに、一体どれほどの価値があると言えるのでしょうか? 文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4
1
2
SPA!編集部が「人生後半を賢く楽しく生きる」をテーマに厳選した記事をメルマガ会員限定で毎週金曜日にメールでお届けします。仕事・お金・性・人間関係…人生を豊かにする秘訣が見つかります。無料・10秒で完了です。
無料でメルマガ登録する⇒⇒
※登録後、メール認証が必要です。受信した認証メールをクリックして、登録を完了させてください。
※認証メールが届かない場合、迷惑メールに入っているか、メールアドレスが間違っている可能性があります。再度ご登録ください。