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“最下位候補”を覆すヤクルトの快進撃。ブンブン丸・池山監督が薫陶を受けた「2人の指導者」の存在

「たった一度だけ」褒められた出来事

そんな池山だが、たった一度だけ、野村に面と向かって褒められたことがあった。97年6月5日に東京ドームで行われた巨人戦のこと。同点で迎えた9回表、池山は巨人の三沢興一からバックスクリーン横にソロホームランを放ち、これが決勝点となってヤクルトが4対3で勝利した。 翌日、試合前の練習を終え、通路で野村監督の横を通ったとき、「おい」と声をかけられると、 「昨日はよう打ったな」 たった一言だけだったが、普段は褒めない野村が褒めてくれたことが印象深く残っていたという。

出会えたタイミングが良かった

池山は、こんな考えも持っていた。 「“出会いの順番”って大切なんだなって思いました。もし僕が関根さんよりも前に野村さんに出会ってヤクルトの監督になっていたとしたら、委縮して混乱し、思うような成績が残せていなかったかもしれません。バッターとして一人前になってから野村さんに出会えたからこそ、野村さんの野球を受け止め、さらに成長することができた。これは間違いないと思います」 今のヤクルトの選手たちは、池山が二軍監督時代から指導し続けてきた山野太一、鈴木叶、伊藤琉偉ら、成長著しい若手選手が多くいる。池山自身、関根から学んだ「長所を伸ばす」指導を貫き通そうとしている段階であるに違いない。 2025年10月10日にヤクルトの一軍監督に就任したときの記者会見で、 「選手と一緒に勉強しながら、成長しながら、強いチームを作りたいと思っています」 と話していた。 ゴールデンウィークを迎え、ここから先がヤクルトの強さが本物かどうかの真価が問われてくるが、若さあふれる伸び伸びはつらつとしたプレーを貫き通し、監督と選手が一緒になって、喜びを分かち合う姿をこの先も見続けていきたいと期待している。 <TEXT/小山宣宏>
スポーツジャーナリスト。高校野球やプロ野球を中心とした取材が多い。雑誌や書籍のほか、「文春オンライン」など多数のネットメディアでも執筆。著書に『コロナに翻弄された甲子園』『オイシックス新潟アルビレックスBCの挑戦』(いずれも双葉社)
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