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野村のID野球、原の直感力——2人の名将に仕えた橋上秀樹が、巨人の「どん底」を救えるか

“横綱ではない巨人”でどう戦うか

2026年シーズン途中に、橋上は急遽、監督代行を務めることになった。戦国武将の毛利元就は「人生には上り坂、下り坂、そして“まさか”の坂がある」と言ったとされるが、今回の人事はまさに“まさか”の心境だったに違いない。 楽天時代、野村の下にいたときには、勝ち方のバリエーションは豊富にあるものだと考えていた。相撲に例えれば、寄り切りや押し出しだけでなく、けたぐりやいなし、奇襲のような技を駆使して最後に勝つという戦略だ。 原監督時代の巨人でそのような提案をした際、指揮官からは決まって「橋上、君の言いたいこともわかるが、ここは巨人だぞ」と一蹴された。 当時の巨人は投打のバランスが整っており、相手は横綱と思って挑んでくる。戦力が乏しいチームであれば奇襲も必要だが、横綱が奇襲を使うことはない。四つ相撲を取り切って寄り切りや押し出しで勝つのが原の考える「巨人の野球」であった。 だが、現在の巨人には、当時の横綱のような圧倒的な強さはない。セ・リーグでは阪神が巨人よりも頭一つ抜けた強さを誇っており、巨人は平幕上位の力であると見るべきだ。 橋上が監督代行としてどんな野球を展開してくるのか、大いに注目したいものだ。シーズンはまだ2ヵ月を経過したところで、まだ100試合近く残っている。予期せぬ出来事によってチームは逆風にさらされているが、若手とベテランの力を結集させ、思い切った采配によって困難な事態を打開してほしいと期待している。 <TEXT/小山宣宏>
スポーツジャーナリスト。高校野球やプロ野球を中心とした取材が多い。雑誌や書籍のほか、「文春オンライン」など多数のネットメディアでも執筆。著書に『コロナに翻弄された甲子園』『オイシックス新潟アルビレックスBCの挑戦』(いずれも双葉社)
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