仕事

元捜査一課刑事・佐々木成三が「40歳で警察官を辞めたワケ」…価値観が崩れた“被害者遺族の一言”

元刑事として発信する「言葉の重み」

佐々木成三さん

コメンテーターとして出演する際は、元刑事としての「言葉の重み」を考えながら発言しているという

——現在、テレビコメンテーターとして事件を解説する際に大切にしていることは何ですか。 佐々木:まず、被害者と被害者遺族がいるという事実を常に意識しています。そして、元捜査一課・元刑事が発する言葉には重みがある、ということを自覚しています。 私が「この人が犯人に違いない」と言えば、それが一人歩きする可能性がある。それは人権侵害にもなりかねないし、警察の捜査に影響を与えることにもなりかねない。犯人を当てるゲームをしているわけではありません。事件を通じて防犯意識をどう高めるか、どうすれば防げたのかを考えることが自分の役割だと思っています。 ——服装や表情にも気を配っているそうですね。 佐々木:そうです。華美な服装はしないし、事件のコメントをする場で笑顔は見せない。被害者のいる事件を扱っているのに、派手な格好をする必要はない。言葉だけでなく、見た目からも「被害者の側に立っている」ということを伝えたいと思っています。

「1年前の自分の青写真を超えていたい」

佐々木成三さん

佐々木氏の著書『刑事だけが知っている「対話する力」』(小学館)が、7月31日に発売される

——最後に、今後の展望を教えてください。 佐々木:毎年12月31日に、「今年はこうだった、来年はこうなっていたい」という青写真を書いています。そして翌年の12月31日に、その青写真を超えていたかどうかを確認する。超えていることを目指して動き続けることが、自分の原動力になっています。 「犯罪を生まない環境づくり」というコンセプトは、刑事を辞めた日からまったくブレていません。自分一人ではできないことも、異なる領域の人と出会い、ケミストリーが生まれることで広がっていく。そのためにも、人と積極的に会い続けることが、これからの自分にとって最も大切なことだと思っています。   *  *  *  被害者遺族の一言で自身の価値観を見つめ直し、40歳で刑事という“天職”に区切りをつけた佐々木氏。その経験を胸に、現在はテレビや講演、防犯活動を通じて「犯罪を生まない環境づくり」を訴え続けている。  犯罪者を追い続けた22年間で得た知見を、今度は犯罪を未然に防ぐために生かす——。その軸は、警察官だった頃から変わることなく、これからも社会へ向けて発信され続けていくだろう。 取材・文/セールス森田
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
X(旧Twitter) salesmorita32
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