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元Google CEOにも容赦なし!アメリカの大学生が「AIを賞賛する大人」に猛ブーイングを浴びせた納得の理由

AIに異を唱える学生たちのグループも出現

ニューヨーク大学のゲート。原稿にあるニューヨーク市立大学とは別の大学(写真=筆者撮影)

コロンビア大学(こちらはアイビーリーグの1つ)の正門(写真=筆者撮影)

フロリダ州オーランドにある州立セントラルフロリダ大学で5月8日に開かれた卒業式にはフロリダ州の不動産業界の大物と呼ばれる女性が講演者として招かれた。AIを「次の産業革命」と表現したところ、ほぼ即座に学生からブーイングが起きた。 翌9日にはテネシー州のミドルテネシー州立大学の卒業式で、歌手のテイラー・スウィフトを見出したことで知られる音楽業界の重鎮スコット・ボルチェッタ氏が講演した。「AIは今この瞬間にも生産のあり方を変えつつある」と発言すると、学生はブーイングを浴びせた。 グーグルの元最高経営責任者(CEO)エリック・シュミット氏は、15日にアリゾナ州ツーソンで州立のアリゾナ大学の卒業式で講演し「問題はAIが世界を形作るかどうかではない。AIは間違いなく世界を形作るだろう。問題は、君たちがAIの形成に関与するかどうかだ」と話すと、学生から繰り返しブーイングされた。 卒業式でのブーイングは5月に少なくとも5校であったとされ、その後に卒業式を行った大学ではAIの話題を出さないように注意を払ったところもあったという。 卒業式のブーイングにとどまらず、アメリカではAIに異を唱える学生たちが独自のグループを立ち上げ、活動している。安全に運用できるようになるまでAIを一時停止させることをめざしている全国組織「ポーズAIユーエス(Pause AI US)」は、各地の大学に続々と支部ができ、賛同する学生が増えている。 日本ではAIの普及の遅れや、幅広い産業での人手不足などから、現時点でAIによる採用減の波は起きていない。しかし、この後、短期間で状況が急変することは目に見えている。経済産業省が3月に発表した「2040年の就業構造推計(改訂版)」によると、AIなどの導入により事務職で約440万人の余剰が生まれる可能性があるという。15年先には新卒の事務職のかなりの数がAIに置き換えられていることが想定される。 AIによる失業は、もはや「忍び寄る恐怖」ではなく「現実の悪夢」である。こうしたことへの具体的な対策がないまま、産業界、政界、そしてマーケットはAI推進のアクセルを踏み続ける。無責任のつけは、仕事を奪われた若者たちが将来にわたって背負いこむことになる。
ニューヨークを拠点に活動するフリージャーナリスト。業界紙、地方紙、全国紙、テレビ、雑誌を渡り歩いたたたき上げ。専門は経済だが、事件・事故、政治、行政、スポーツ、文化芸能など守備範囲は幅広い。
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