更新日:2026年07月27日 17:33
スポーツ

「明らかに熱中症でした」川田将雅騎手の発言が波紋…競馬“真夏開催”に浮上した深刻なリスク。ファンからは「馬死ぬぞ」の声も

JRAは対策を強化…それでも残る真夏開催への課題

 もちろん、JRAも手をこまねいているわけではない。2026年は新潟と中京の「競走時間帯の拡大」を6週間に延ばし、休止時間の設定や屋外滞在時間の短縮などを進めている。  さらに2027年夏には、新潟と中京の競走数を1日12レースから7レースへ減らし、第1レースを午後3時ごろにする案が検討されている。対策をさらに踏み込ませようとする姿勢は評価すべきだ。  それでも、午後3時35分発走の重賞後に「明らかに熱中症でした」という言葉が出た事実は重い。診断の詳細は不明でも、このコメントが真夏開催のリスクを可視化したと捉えることはできるだろう。

北海道開催の拡充も視野に入れるべき

 7レース制にすれば、暑熱負荷を下げられる可能性はある。だが、真夏の本州でリスクを十分に抑え込める保証はない。  だからこそ、将来的には北海道開催の拡充も選択肢に入れるべきではないだろうか。  札幌と函館の同時開催には、馬房、調教施設、輸送、人員などの大規模な整備が必要になる。JRAは、必要な出走馬房が2000~3000程度と見込まれる一方、現状は1472馬房にとどまると説明している。  北海道2場開催は、明日から使える魔法ではない。とはいえ、難しいという一言で議論を打ち切るのも違う。  猛暑がさらに深刻になる将来へ向け、最も暑い時期の本州開催を縮小できるよう、北海道の受け入れ態勢を整える。時間も費用もかかるなら、必要性が現実になってから慌てるのでは遅い。  守るべきなのは、夏競馬の慣習ではない。馬の安全だ。  現行日程を所与の前提として対策を積み増すのではなく、安全に開催できる場所と時間を基準に番組を組み直す。今こそ、その議論を始めるべきではないだろうか。 文/中川大河
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。
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