スポーツ

「JRA系はマジで恵まれている」…“30分で2万円”投稿で競馬関係者が猛反発した“4文字の言葉”

高収入だから楽とは限らない…数字だけでは測れない仕事

 そもそも高収入であることと、仕事が楽であることは別問題だ。危険や責任が大きく、簡単には代わりの利かない技術を持つからこそ、相応の対価が支払われる仕事もある。  仮に装蹄師の収入が一般的な職業より高かったとしても、それだけで「悠々自適」と結論づけることはできないだろう。  もっとも、発端の投稿をすべて事実と異なる話として切り捨てるのも違う。講習期間や装蹄料金には一定の根拠があり、あまり知られていない仕事にも収入を得る道があると紹介したかったのかもしれない。  装蹄師に興味を持つ人が増えることまで否定する必要はない。技術と信頼を積み重ねながら、長く現場で活躍する装蹄師もいる。稼げる可能性があることと、悠々自適に働けることは同じではない、という話だろう。 

専門職を伝える難しさ…数字の裏側まで伝える視点が必要

 逆に、現場の苦労を強調するあまり、「大変な仕事だから収入について語ってはいけない」となるのも健全ではない。問題は職業の魅力を伝えたことではなく、魅力だけを切り取ったように見えた語り口にある。  今回の議論は競馬界だけに限らない。医師、整備士、職人など多くの職業でも、目の前の作業時間だけを切り取れば「短時間で高収入」に見えることがある。  だが、その裏側には訓練、責任、危険、そして信頼を得るまでの年月がある。作業の値段には、目の前では見えない時間も含まれている。  投稿者を袋だたきにして終われば、せっかく広がった関心もそこで止まる。問われているのは数字の正誤だけではなく、その数字がどんな仕事の重みを切り落としてしまうのか、という点ではないだろうか。  知らない仕事をわかりやすく紹介するために、どこまで単純化してよいのか。「悠々自適」という4文字に集まった反発は、装蹄師だけでなく、あらゆる専門職への向き合い方を問いかけている。 文/中川大河
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。
1
2
勝SPA!
SPA!編集部が「人生後半を賢く楽しく生きる」をテーマに厳選した記事をメルマガ会員限定で毎週金曜日にメールでお届けします。仕事・お金・性・人間関係…人生を豊かにする秘訣が見つかります。無料・10秒で完了です。
無料でメルマガ登録する⇒⇒
※登録後、メール認証が必要です。受信した認証メールをクリックして、登録を完了させてください。
※認証メールが届かない場合、迷惑メールに入っているか、メールアドレスが間違っている可能性があります。再度ご登録ください。
【関連キーワードから記事を探す】