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「地獄の2時間でした」新幹線で“ハズレ席”を引いた24歳男性の悲劇。特大スーツケースのせいで乗客が口論に…/新幹線の「特大荷物」正しい持ち込み方は?ルールを調べてみた

前席の乗客と一触即発状態

新幹線

※画像は生成AIによるイメージです

 のぞみは速度を増し、名古屋を過ぎようとしていました。周囲の乗客が仕事の資料に目を通したり、仮眠を取ったりしている中、ただ一人、木内さんだけが“隣の騒音と圧迫”に耐えながら東京へ向かっていました。  そして、その騒動の火種は、思わぬ方向へと転がっていきました。 「男性の前に座っている乗客が、ゆっくりとリクライニングを倒そうとしたんです。最初は普通の動作でした。でも……」  何度試しても、倒れない。ほんの数センチ倒れた程度で“ゴン”と引っかかる感触があったようです。理由は明白でした。そう、あの巨大スーツケースです。高さも厚みもあるケースは、前席の背面に完全に接触し、リクライニングを阻んでいたのです。 「前の方が何度かトライしていたのですが、全然倒れないんです。しまいには小さく舌打ちが聞こえました」  男性はイライラした様子で何度も振り返り、状況を確認していました。しかし、当のスーツケース所有者はというと――。 「いびきをかいて熟睡してたんですよ。イヤホンの音漏れを響かせたまま」  そのコントラストが、前席の乗客の怒りに一層火をつけたかもしれません。木内さんは、嫌な予感を抱きはじめていたといいます。

天罰がくだり、静けさが戻る

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※画像は生成AIによるイメージです

 やがて前席の乗客は、ついに堪忍袋の緒が切れたようでした。深呼吸を一つしたかと思えば、座席に体を預け、全体重をかけてリクライニングを“グッ”と倒しにいったのです。  その瞬間――。 「ベリッ!」  新幹線車内に、何とも言えない異音が響きました。見ると、スーツケースの側面が無残に凹み、形が明らかに変形していました。安物の樹脂ケースだったこともあり、耐えきれずへこんだのでしょう。
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※画像は生成AIによるイメージです

「その音で、隣の男性も飛び起きましてね。『なんや!』って怒鳴り声を上げたんです」  男性は凹んだスーツケースを見て激怒。「おい! 何してくれとんねん!」と、前席の乗客に詰め寄ります。一方、前席の乗客も負けていません。 「そっちが非常識だろ! 足元にこんなもん置くなよ!」  言い争いは瞬く間にヒートアップし、ついには互いに腕を掴む形となり、ほぼ小競り合いに発展。周囲の乗客が息をのむ中、木内さんはただ呆然とするしかなかったといいます。 「“やっぱり起こったか……”という気持ちでした。僕は完全に巻き込まれたくなかったので、ただ固まってました」  ほどなくして、周囲の乗客から車掌に通報が入り、数分後、青ざめた表情の車掌が駆けつけました。 「お客様、まず落ち着いてください!」  双方の言い分を聞き取った車掌は、静かに二人を別車両へと誘導。喧嘩の拡大を避けるための措置だったようです。そして ――。 「その後、隣の席は完全に空席になったんです。ようやく、やっと静かになりました」  長い戦いが終わった瞬間でした。 <TEXT/八木正規>  *  *  *

■新幹線の大型スーツケース、正しい持ち込み方は?

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※画像は生成AIによるイメージです

あらためてJR東海の「荷物に関するご案内」を見てみます。 東海道・山陽・九州・西九州新幹線では、3辺の合計が160cm超250cm以内の荷物は「特大荷物」として扱われ、車内に持ち込む場合は「特大荷物スペースつき座席」の事前予約が必要です。この座席は各車両の最後部に設定されており、座席後ろのスペースに大型スーツケースを置けます。予約に追加料金はかからず、普通車指定席・グリーン車指定席と同額。2020年5月20日にスタートした制度で、すでに5年以上が経過しています。 仮に事前予約せずに特大荷物を持ち込んだ場合、車内で所定の手数料(1,000円・税込)が発生し、乗務員が指定する場所へ収納することになります。今回のエピソードのような、座席の足元スペースに巨大スーツケースを置くのは、サイズを問わずルールから外れた行為というわけです。
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※画像は生成AIによるイメージです

なお、3辺合計250cmを超える荷物は車内に持ち込むこと自体ができません。また、「特大荷物スペースつき座席」の設定がない自由席や一部指定席の号車には、特大荷物を持ち込むこともできない仕組みです。 ちなみに、このルールが適用されるのは東海道・山陽・九州・西九州新幹線のみ。JR東日本管轄の東北・北海道・秋田・山形・上越・北陸の各新幹線には、そもそも「特大荷物スペースつき座席」の設定がなく、事前予約も不要です。客室内やデッキの荷物置場を先着順で利用する仕組みで、手数料もかかりません。同じ「新幹線の大型荷物ルール」でも、路線によって扱いが違うというわけです。 今回、リクライニングを倒せずに口論となった前席の乗客も、大変な災難でした。もし隣の男性が「特大荷物スペースつき座席」を予約していれば——地獄の2時間は、始まる前に終わっていたのかもしれません。
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<再構成/日刊SPA!編集部>
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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