ライフ

亡き父の遺品整理で“目を疑う写真”を発見。母親を問い詰めたら「信じられない過去」が明らかに/ピーク時は全国4万2,510人。昭和の暴走族は“桁”が違った

母の沈黙と、ついに語られた過去

遺品整理

※画像は生成AIによるイメージです

 動揺を抱えたまま階下に降りた田村さんは、母に写真を突きつけました。 「母親はテレビで韓国ドラマに夢中だったのですが、テレビと母親の間に割り込み『これ、父さんだよね?』言ったんです」
遺品整理

※画像は生成AIによるイメージです

 母は一瞬で顔色を変え、「知らないわよ、どこかで拾ってきたんじゃない?」と慌てた様子で否定しました。  しかし田村さんは引き下がりません。 「でも、このほくろ。間違いないよ」と、田村さんは真剣な眼差しで母親をにらんだそうです。すると、母親は観念したように深いため息をつき、「実はね……」と口を開き始めました。
遺品整理

※画像は生成AIによるイメージです

 父親は若い頃、地元で名を馳せた暴走族の総長だったというのです。しかし、ある日厳格な祖父に見つかってしまい、勘当寸前まで叱責されたというのです。 「あなたと一緒で、お父さんも祖父さんのことを尊敬していたし、とても厳しい家庭だったから、祖父さんが絶対だったのよ」と、母親は、話してくれたそうです。  その後、父は3ヶ月で足を洗い、予備校に通い直して大学進学を目指したのでした。

武勇伝から研究者、そして父へ

遺品整理

※画像は生成AIによるイメージです

「母さんだって、そんな話を知ったのは結婚してだいぶ経ってからだったのよ。ある日ポロっと武勇伝みたいに話してくれてね。私も驚いたわ」と母親は微笑んで話してくれたそうです。  そんな父親は、大学卒業後、物理学の研究者として大手企業に就職しました。真面目な性格で、常に理知的で誠実な人だったといいます。田村さんはそのギャップに、ただ驚くばかりでした。 「正直、信じられませんでした。でも、あの厳しさや責任感は、そういう過去を経たから生まれたんではないかと思っています」  遺品から見つかった一枚の写真は、父の知られざる顔を映していました。しかしそれは驚きだけでなく、父の人間的な深さを改めて感じさせるものだったそうです。 <TEXT/八木正規> *  *  *

■父が青春を過ごした時代、暴走族は4万人いた

暴走族

※画像は生成AIによるイメージです

田村さんのお父さんが青春を過ごしたであろう時代、暴走族はどれくらいいたのでしょうか。 法務省の『犯罪白書』によると、暴走族の構成員数がもっとも多かったのは1982(昭和57)年で、全国に4万2,510人。その後も1990年代初頭までは3万人台が続いていました。

■いまは5,880人。でも、増えているものもある

では、現在はどうか。内閣府の令和7年版『交通安全白書』によると、2024年末時点で警察が把握している全国の暴走族は144グループ・5,880人。ピーク時とは、ひと桁違います。 なお、警察は暴走族を、爆音を伴う集団暴走を行う「共同危険型」と、ローリングやドリフト走行で運転技術を競う「違法競走型」に分けて把握しています。2024年末の5,880人の内訳は、共同危険型4,483人、違法競走型1,397人。いわゆる特攻服姿でイメージされるのは前者のほうです。ちなみに4万2,510人を記録した1982年の『犯罪白書』にこの区分はなく、当時は暴走族としてひとまとめに数えられていました。
レディース(女性暴走族)

※画像は生成AIによるイメージです

ついでにもうひとつ。警察庁の統計によると、共同危険型4,483人のうち、どこのグループにも所属していない人が3,258人。7割超が“無所属”です。 ただし、すべてが減っているわけではありません。同じ統計で、共同危険型(爆音を伴う集団暴走を行うタイプ)の女性メンバー、いわゆる“レディース”は2020年の197人から2024年には271人へと、5年で約1.4倍に増加。全体の人数はほぼ横ばいなので、女性だけが増えている形です。 グループ数も、2020年の113から2024年は116へと増えました。集まって走った回数も1,769回から2,528回へ、参加人数は1万4,888人から1万9,972人へと増えています。 パンチパーマに刺繍入りの特攻服。田村さんが写真の中に見たあの光景は、いまではなかなかお目にかかれないもののようです。
レディース(女性暴走族)

※画像は生成AIによるイメージです

■ちなみに、遺品整理サービスに「業法」はない

最後にもうひとつ。冒頭でも触れましたが、遺品整理サービスには、これを直接規制する法律がありません。総務省が2020年3月に公表した調査報告書でも、業法がなく情報が限られていることが、調査に踏み切った理由として挙げられています。 国民生活センターが2025年10月に出した注意喚起には、こんな事例が紹介されています。「亡父宅の不用品処分を依頼したところ、大切な書類等は残しておく約束が、アルバムや回線のつながっている電話機まで処分された」(60歳代)。事業者に苦情を伝えたときには、すでにゴミ処理場に運搬済みだったそうです。 田村さんのように自分の手で書斎を片づけたからこそ、あの一枚は見つかったのかもしれません。
レディース(女性暴走族)

※画像は生成AIによるイメージです

暴走族

※画像は生成AIによるイメージです

レディース(女性暴走族)

※画像は生成AIによるイメージです

<再構成/日刊SPA!編集部>
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
1
2
SPA!編集部が「人生後半を賢く楽しく生きる」をテーマに厳選した記事をメルマガ会員限定で毎週金曜日にメールでお届けします。仕事・お金・性・人間関係…人生を豊かにする秘訣が見つかります。無料・10秒で完了です。
無料でメルマガ登録する⇒⇒
※登録後、メール認証が必要です。受信した認証メールをクリックして、登録を完了させてください。
※認証メールが届かない場合、迷惑メールに入っているか、メールアドレスが間違っている可能性があります。再度ご登録ください。
【関連キーワードから記事を探す】