スポーツ

MLB「フィールド・オブ・ドリームス」が4年ぶり復活…18歳だった筆者が“見知らぬ男性の車”で夢の球場へ向かったワケ

映画で何度も見たダイヤモンドで過ごした“わずかな時間”

 映画で何度も見たダイヤモンドが、本当に目の前にあった。30年以上前のことだから、その瞬間に何を感じたかは、正直思い出せない。ただ、球場を歩き回り、ベンチに腰掛けたことは今も記憶に残っている。  男性をいつまでも待たせるわけにはいかず、滞在は30分足らずだったと思う。いや、10分ほどだったかもしれない。その後、彼は車で交流試合が行われている球場へ私を運んでくれた。到着するとすでにプレーが始まっていた。  ひとまずバックネット裏に腰を掛けると、山梨からの新聞記者と遭遇。試合を見に来ていた一人の日本人女性を紹介してもらった。アメリカ人の夫がリタイアしたのを機に、彼の故郷ダイアーズビルへ移ってきた日本人女性だった。  彼女は「この町で外国人は自分だけだ」と話した。本当に一人かはわからないが、日本人の私と出会えたことをとても喜んでくれた姿は覚えている。

人違いから始まった“夢の球場”での忘れられない一日

 女性は試合後、近くのレストランで夕食をご馳走してくれ、宿すら予約していなかった私を町のモーテルまで送ってくれた。  歩くかヒッチハイクでもしようと思っていたのに、ふたを開けてみれば、人違いをきっかけに“夢の球場”から交流試合、夕食、モーテルまでつながったのである。  その日はほとんど歩いていない。タクシー代どころか、町での移動費は一切かからなかった。  何とも都合のいい人違いだったのだ。  あれから31年。今では、あの場所を舞台にしたメジャーリーグの公式戦を、世界中の人がNetflixを通して見る時代になった。  あの日、日本から来た高校球児に間違えられなければ、私が覚えているフィールド・オブ・ドリームスの一日は、まったく違うものになっていたのかもしれない。 文/八木遊(やぎ・ゆう)
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
1
2
3
SPA!編集部が「人生後半を賢く楽しく生きる」をテーマに厳選した記事をメルマガ会員限定で毎週金曜日にメールでお届けします。仕事・お金・性・人間関係…人生を豊かにする秘訣が見つかります。無料・10秒で完了です。
無料でメルマガ登録する⇒⇒
※登録後、メール認証が必要です。受信した認証メールをクリックして、登録を完了させてください。
※認証メールが届かない場合、迷惑メールに入っているか、メールアドレスが間違っている可能性があります。再度ご登録ください。