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「冷房の部屋なら大丈夫」は大間違い。医師が警告する“食品の常温放置”の罠、飲みかけペットボトルも危険

生鮮・加工品・料理など種類によってもリスク要因はさまざま

渡海院長いわく、常温放置食品の危険要因は、食品の種類によっても変化してくるという。 「例えば生鮮食品のうちマグロ、カツオ、サバなどは、温度管理が悪いと細菌の働きでヒスタミン(※アレルギー様の食中毒の原因物質)が作られることがあります。ヒスタミンは加熱しても減らないため、常温に置いた魚をあとから火入れしても安全になるとは限りません」 ほかにも、加工食品類は未開封で「常温保存可能」と表示されていれば比較的安全だが、開封後は普通の食品と同様に扱うべき。生クリームやカスタードを使ったケーキ、卵やハムを挟んだサンドイッチなどは、購入後なるべく早く冷蔵しよう。 「お料理の場合、カレー・シチュー・スープなどは、大鍋のまま置いておくと中心部がゆっくり冷え、その間にウェルシュ菌が増える可能性があります。温かい状態で置くときは65℃以上、冷たい状態では10℃以下を維持してください。実際、大量調理施設では、冷却開始から30分以内に中心温度を20℃付近、または60分以内に10℃付近まで下げることが目安とされています。 ご飯や焼きそばなどの作り置きも、室温でゆっくり冷ますのでなく、食べない分は遅くとも2時間以内に小分けして冷蔵または冷凍しましょう」 また、「実は危険」として時おりSNS等で話題になるのが、開封して口をつけたあとのペットボトルや缶飲料。唾液や口腔内から液体内に微生物が移りかねないため、数時間放置した飲み残しは、見た目に変化がなくても飲まない方が安全である。開栓後に再密閉できない缶飲料ならば、なおさらだ。 「水や無糖茶なら乳飲料や糖分の多い飲料より細菌が増えにくい傾向ですが、無菌ではありません。これらも長時間常温に置かないことが大切です」

「冷蔵庫に入れておけば…」という過信もNG

高温多湿が食品にとって良くないなら、冷房と除湿のよくきいた室内なら安全……と考えるのは早計である。既に書いたとおり、食中毒菌の増えやすい範囲はおよそ20~50℃。加えて、室内がしっかり除湿されたとしても、食品自体の内部にある水分は細菌増殖を抑えられるほど短時間で失われたりしない。部屋丸ごとを冷蔵庫に改造しない限り、一般の冷房設定では細菌増殖が十分起こりうるのだ。 「また、冷蔵庫の低温も微生物の増殖を遅らせるもので、殺菌する装置ではないので過信は禁物です。家庭用冷蔵庫は10℃以下、傷みやすい食品なら4~5℃程度に保つことが望まれます。一方、食品の詰め込み過ぎや頻繁な開閉による庫内の温度上昇、収納前の食品の冷却不足、低温でも増える菌の存在など、リスク要因はゼロではありません。庫内の収納目安は7割程度として、なるべく早めに消費してください」 常温放置された食品の危険性を避けるためには、至極当たり前だが「そもそも常温放置しない」が最も有効である。渡海院長からは食品・料理の比較的安全な扱い方についても、いくつか提案があった。 (1)パーティーやビュッフェ: 料理は全量を一度に出さず、小分け補充。冷たい料理は保冷剤などで10℃以下、温かい料理は65℃以上を目安に保つ。調理後だけでなく購入後の持ち運びや配膳時間も合計して考ること。25~30℃程度の室内で2時間以上、32℃を超える暑い環境で1時間以上置いたものは廃棄が無難。 (2)煮物・カレー・スープ:食べ終わったら浅い容器に小分けして速やかに冷蔵し、再加熱時は全体をよく混ぜながら中心まで十分に熱する。大鍋のまま自然に冷ますと、中心部が長時間、細菌の増えやすい温度になるので注意。すでに作られた耐熱性の毒素は、再加熱しても残る場合あり。 (3)ご飯・麺類: 適温で保温するか、食べない分は早く小分けして冷蔵・冷凍。室温での冷却や、保温なしで炊飯器に長時間入れることはアウト。後から炒飯などにして再加熱しても、必ず安全になるとは限らない。 「もちろん、手指や調理器具にも注意です。調理前後、トイレ後、生肉や魚を触ったあとには、必ず手を洗いましょう。生ものと調理済み食品では包丁・まな板・トングを分け、パーティーでは共用トングからの二次汚染にも注意してください」 これら全てに気を使っても100%安全とは限らないが、少なくとも無防備に常温で食品を放置しておくよりはずっと安全だ。自分自身だけでなく、周りにいる家族や知人・友人の健やかな「食」のため、心がけてみて損はない。
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食品の常温放置リスクが食文化を生んだ?
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東京都在住。2024年にフリーランスとして独立し、ライター業およびイラスト業で活動中。ライターとしては「Yahoo!ニュース」「macaroni」「All Aboutニュース」などの媒体で、東京都内の飲食店・美術館・博物館・イベント・ほか見所の紹介記事を執筆。プライベートでも都内歩きが趣味で、とりわけ週2〜3回の銭湯&サウナ通いが心のオアシス。好きなエリアは浅草〜上野近辺、池袋周辺、中野〜高円寺辺りなど。X(旧Twitter):@Dejavu_Raw
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