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墓じまいを切り出したら「離檀料1000万円」、別の寺では「祟られる」と150万円要求、遺骨を“人質”に…急増する泥沼トラブル

「その人は坊さんではない」現役住職が“祟り”を一喝

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真言宗豊山派 太子山天明寺住職・鈴木辨望氏 群馬県前橋市。133年間無住だった寺を継ぎ、檀家26軒から再興した。5000円葬儀など、寺の常識を問い直す発信でも知られる

 一方、関口さんのケースに辨望氏は容赦がなかった。 「もし本当に『祟られる』と言っているのなら、その人は坊さんではない。戒名は、生前の仕事や人柄、社会的な貢献度によってお寺側が授与するもの。脅してより上位の戒名のお布施を納めろとは根本から間違っています」  では、書類を出さない住職は、何を考えているのか。 「明確に『やめてもらいたくない』という意図からでしょう。どんなお寺も離檀してほしくないので多少は引き留めます。しかし、無論強制はできません。あと、事務処理が苦手で、そもそも書類の作り方がわからないなんて人も案外います」  カネの面から見るとどうか。ファイナンシャルプランナーの鳥海翔氏は、二つのケースをまとめて“言い値の商売”だと切り捨てる。 「金額の根拠が曖昧な言い値の世界。お寺側もビジネスなんだとしっかり肝に銘じておく必要があります。保険もそうですが、なんとなく公的なものや慈善事業のようなものに人は騙されやすい。口頭で『言った、言わない』にせず、見積もりは書面でもらうこと。少しでも変だと思えば録音が効果的です。それを手に国民生活センターなどに相談するのも一つの方法です」  また、鳥海氏がとくに懸念するのが「親族間での揉め事」だ。 「親族の中には、墓じまいを進めたい人と、放っておけばいいという人が必ずいます。すると『どうしてもと言うなら、あなたの負担でやってください』となる。結局、言い出しっぺが損をしがちなんです。今後、墓じまいは相続と同じくらい慎重に考え、事前に親族間で話し合っておく重要なテーマになってくるはずです。私なら、かける予算は資産の1割までをひとつの目安にすることを勧めます」
hakajmaitorikai

ファイナンシャルプランナー
鳥海翔氏
YouTube「鳥海翔の騙されない金融学」を運営。著書に『マンガでわかる「だまされない」お金の増やし方』(KADOKAWA)など

 ただ、そこまでこじれる前に打つ手はある。辨望氏は自身も寺の住職でありながら、揉めないための “檀家のやめ方”もレクチャーしているという。 「低姿勢で丁寧に『自宅も遠くて、お参りにも来られないので撤去したい』と言えば、それだけで『それはしょうがない』となります。何を当たり前のことをと思うかもしれませんが、坊主憎しなのか、離檀の際に高圧的な人が一定程度いるのも事実。離檀料のトラブルは、こうした些細ないざこざから生まれることがほとんどなのです。悪徳住職はもってのほかですが、墓を畳んで永代供養や樹木葬に移すにしても、どこかでお寺とのかかわりは残るもの。お寺も慈善事業ではなく、維持運営に費用がかかる組織であることは、もう少しご理解いただけるとありがたいですね」  墓じまいは、墓石を撤去すれば終わりではない。寺や親族との関係まで含め、早めの準備が必要なのだ。 取材・文/SPA!墓じまいトラブル特捜班
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