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「福島大に原子力を触らせたくない」YouTuberが大炎上…学歴で人を見下すコンテンツがウケる“教育の失敗”

「露悪は現実」という開き直りが失わせるもの

0903_ワカッテTV②

「絶対にこんな大人になるなよ!」と学歴社会を皮肉るキャラが届ける教育痛快バラエティを掲げる「wakatte.tv」(画像はYouTubeチャンネル「wakatte.tv」より/2019年5月9日公開の動画から)

 もっとも、ワカッテTVもそうした自らの悪どさを自覚していたことは明らかです。けれども、その露悪こそが現実だと開き直った態度がはびこる先には、一体どんな社会が待ち受けているのでしょうか?  学歴や偏差値という客観的なデータ(エビデンス)によって他者を踏み台にしても構わないというコンセンサスができあがれば、教育の目的は踏み台にされないようになることにすり替わります。  もちろん、いつの時代にも様々な形で残酷な真実は存在します。しかし、それが人々の確固たる行動原理になっても仕方ないというわけではありません。本来、そこには恥じらいの感覚だったり、美意識だったり、一線を超えない矜持だったりといったクッションを各々が持ち合わせることで、世の中の厳しさを協力して希釈しあってきた知恵があったはずなのです。  今回、改めてワカッテTVの動画をまとめて視聴して感じたことは、この情緒を働かせる知恵が恐ろしいスピードで失われているのではないかという強い懸念です。

教育の形骸化を告げる、炭鉱のカナリア

 つまり、ワカッテTVとは、皮肉なことに炭鉱のカナリアのようなものだと言えるかもしれないのです。えげつない表現を反語的に解釈するならば、教育が加速度的に形骸化し、学歴や偏差値に有価証券ほどの価値すらつかなくなってきたがゆえに、低俗に逃げざるを得ないというアラートを発しているようにさえ見えるからです。  教育が数値を追求してきたがゆえに咲いてしまった徒花。ワカッテTVの毒々しい色彩は、品性や見識を教わってこなかった人間の寒々しい心象風景をも映し出しているのです。 文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4
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