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成宮寛貴「昔の僕にとって、俳優はまず“生きるための仕事”だった」語った“8年の空白”での心境の変化と目指す場所

自分の心は、自分でしか直せない

――でも、「自分を嫌いにならない」って、意外と難しくないですか? 成宮:悪魔みたいな自分と天使みたいな自分の両方がいるし、すごくだらしない自分もいる。いろいろな自分がいて当然です。そういう部分も含めて、自分で自分を許してあげるんです。それでも自分を嫌いにならないようにする。ただ、自分を許すことと、自分の信念を曲げることは別。そこだけは追い続けないと。腐り始めてしまうと、結構早いので。 ――気持ちが落ちてしまった時は、どうやって自分を立て直しますか?
エッジな人々

人生ごと一点見しちゃうのはまずいなと思う

成宮:周りの人に救われたり、気づかせてもらったりすることはあります。ただ、自分の心が思い通りにいかない時、最終的には自分でしか直せないと思っていますね。たまに家でぼ~っとして、「今日“一点見”してるわ~」みたいな時もあるんですけど(笑)。それは全然いい。ただ、人生ごと一点見しちゃうのはまずいなと思います。 ――“人生の一点見”を避けるために、意識していることは? 成宮:モチベーションを失わないことかな。長く続けていくと、それが当たり前になってしまって、ある種モチベーションを失ってしまう。それって楽しめないなと思うので。今、自分は俳優として、もう一度スタートして、“第2章”が始まったような感覚でいます。全てのことが新鮮だったり、久しぶりに会うスタッフや監督に一喜一憂したりして。今は、俳優業への向き合い方……、例えば気になるメソッドをちゃんと試してみるとか、やってみたいなと思っているところです。

人生のポイントで、運命的な人が現れる

エッジな人々――これまでに人との“縁”に救われてきたというお話もされています。今年の舞台復帰作の演出家である(※3)宮本亞門さんや、本作の城定秀夫監督もそういった存在でしょうか。 成宮:そうですね。本当に恵まれていると思います。僕が「何か変わりたい」と思う人生の節目には、なぜか次の扉を開いてくれる人が現れるんです。ひょっとしたらそうした人を動物的に選ぶ力があるのかもしれません。普段は結構のほほんとしているんですけどね(笑)。そういう時だけ全エネルギーが集中しているのかも。 ――現在、再び俳優としての扉を開けられたわけですが、そこに至るまでに、どういった心境の変化があったのでしょうか。 成宮:自分自身が「また表に出よう」と思えるまで、8年かかりました。そもそも昔の僕にとって、俳優はまず(※4)“生きるための仕事”だったんです。親が早くに他界して、弟の面倒も見なければいけなかった。10代半ばで将来を決める仕事を探すこと自体が難しかったけれど、それでも「ずっと楽しめて、どんどん成長できる仕事じゃないと嫌だ」という条件は、どうしても譲れませんでした。そこで、たまたま出合ったのが俳優だった。有名になりたいというより、生きていくための具体的な手段として始めたんです。 ――10代の頃は「人生の逆転が欲しかった」と語られていました。では今は、俳優という仕事に何を求めていますか。 成宮:自分はやっぱり“表現すること”が好きなんだなって、改めて気づいたんです。台本を開いた時に自分がどんなお芝居ができるんだろうと、すごく興味があって、今はやっています。いろいろ思い通りにいかないこともたくさんあって、ブランクを感じることもすごくあります。今回の撮影中も、自分がここは足りていないなとか。でも、まだ到達していない場所を感じると、今度は猛烈にエネルギーが湧いてくるんです。今作の城定監督は、僕の(※5)復帰作のドラマの監督でもあって、そうした思いも見てくださっています。今回映画でまたご一緒することができて、才能のある監督に出会えたことが、本当にありがたいと感じています。
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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