芸能界の「黒い噂」を実感
――あと、大規模アイドルフェスにも出ていましたよね。
本城:出てました。登竜門的なフェスだったので、毎年出られてよかったです。でも、野外は暑く過酷なフェスでしたよ(笑)。
――当時のライバルグループはいまでも活躍していますか?
本城:一緒に対バンしていたグループは、まだ少し残っています。私は高校が芸能の学校だったので、クラスメイトがジャンルを問わず、今でも活躍しているので、「頑張ってるな」って、嬉しく思いながら見ています。
――今でも印象に残っているステージはありますか?
本城:3rdシングルまで出したんですけど、その3rdシングルを出した頃のワンマンライブですね。原宿のホールでやったワンマンライブがあって、めちゃめちゃよかったんです。メンバーみんなで同じ目標に向かって走っていって、ファンの方たちも盛り上げてくれて、まさに一致団結していました。そのライブは、今でもずっと覚えていますね。
――達成感はありました?
本城:チケットも売れたし、達成感はありましたね。
――芸能界って、ちょっと汚いなと思ったことはありますか?
本城:今思うと、私たちのグループは、礼儀を叩き込まれたり、ファンとの接し方や距離感の保ち方を教えてもらったりと、周りの大人たちにすごく守られてたんです。年頃ということもあって、胸の谷間を一切出さないとか、性的な部分でも守ってもらっていました。でも……。
――でも、なんですか?
本城:私たちのグループはなかったけど、周りにはやっぱりあるんですよね。いいポジションを取るため、チャンスを獲得するために……、なんていうんだろう……。
――枕営業ですか?
本城:そういう話は、ちょいちょい聞いてました。最初は都市伝説だと思っていたんですけど、芸能界にいる中で、「伝説じゃないんだ。本当にそういう売り出し方、席の取り方があるんだ」って現実に感じましたね。
――結果論なのかもしれないですけど、枕営業をして、今も残っている人が多いのか、それとも、使い捨てにされている人が多いのか、どっちですか?
本城:すぐ消えちゃう人が多い印象です。
――そうでしょうね。
本城:切ないですよね。売れるためにそれをしたけど、頑張り方って、そっちじゃないじゃないですか。
――1回やっちゃうと、それ以上、売りにするものがなくなりますからね。
本城:悪循環ですね。売りたくもない性を売ったけど、それは実力じゃないから結果が伴わないんでしょうね。そこで実力を持っていたら、上にいけるのかもしれないですけど、消えてる人が多い印象です。
――本城さんが、アイドルを卒業したのはどうしてですか?
本城:頑張りすぎちゃって、やりきってしまったんです。それに病んじゃったんです。
――どうして病んだんですか?
本城:小学生の後半からずっと人前に立っていたからこそ、「人に見られる自分が商品」ということに疲れちゃったんです。人前に立ちたくなくなっちゃって、プライベートでも「写真を一緒に撮ろう」と言われると、それすら撮れないぐらいになったんです。とにかく隠れたくて、人前に出たくなくて、ステージに立ちたくなくなりました。
――休養宣言をしたんですか? それとも急に辞めたんですか?
本城:最後はちゃんとステージに立って、ファンの方たちにも挨拶をしました。でも、それ以降は一切、表に出ていなかったんです。高校卒業時だったので、タイミング的にも将来を考える時期だったんですよ。
――視線恐怖症みたいな感じですか?
本城:それに近いかもしれないです。自意識過剰とかではなくて、人からの目線に敏感なんです。ステージに立っているときは「見て!」ってなるんですけど、プライベートでは基本、「本当にもう見ないで」って感じなんです。ただ、アイドルを辞めてからも、芝居はずっと習っていました。でも、アイドルを卒業してからはSNSもやっていなかったし、人前には本当に出ていなかったです。
――病院には行ったんですか?
本城:その頃にいろいろとこじらせて、病院に行ったら、双極性障害と摂食障害って言われました。
――摂食障害もですか?
本城:アイドルって、そうなりがちなんですよね。私はめちゃめちゃ太ることはなかったんですけど、病むと一切食べなくなるタイプだったんです。精神科に通わざるを得なくなって、「私がなぜ精神科に?」って思いましたよ。それまで何でも「気合だろ!」みたいな感じで生きてきたから、病院に行くようなタイプではなかったんですけど、行かざるを得ない状況になってしまったんです。でも、そこで出会った精神科の先生が、すごく優しい女性だったんです。その先生のおかげで、「病院にふらっと来て、喋っていいんだ」と思えて、力の抜き方を知りました。
――その間は働いていたんですか?
本城:女性限定の美容サロンで、受付の仕事をしていたので、異性と一切関わらない、異性の視線を受けない環境にいました。
――男性の視線は、街の中でも気になりますか?
本城:気にします。あと、接客業は好きなんですけど、異性を迎え入れる仕事だと、ナンパされたり、声をかけられたりと面倒なことが多いじゃないですか。それをいちいち断るのにも疲れてたので、女性限定の美容サロンで働いてました。
――業務と関係のない、余計なことに気を遣いたくないですよね。
本城:断るのが苦手だったんですよ。適当に流していたせいで、陰湿なストーカーとか生まれちゃうことも多かったんです。