更新日:2026年10月06日 18:02
仕事

「やっぱり無理です」入社初日に退職届を出した“期待の新人”。上司も納得してしまった退職理由/犬猫の殺処分は20年前の何分の1になったのか調べてみた

「業者に回した」……ペット販売の闇

 ペットショップで売れ残った犬猫は、「引き取り屋」と呼ばれる業者にお金を払って引き渡されることがあるのです。引き取り屋は、劣悪な環境で犬猫を飼い、遺体を大量に遺棄して逮捕された事件も複数あります。
ペットショップ

※画像は生成AIによるイメージです

 そもそも、ペットの生体販売にこのような「闇」があることは、動物好きな高橋さんなら、薄々知っていたのでは? でも、自分の就職先でも現実に行われていると知って、ショックを受けたのかもしれません。

辞めた気持ちがよくわかる

 実は中村部長はもともと店舗出身です。動物好きでこの会社に就職したそうですが、経営陣からの評価が高く営業部長にまで上り詰めました。 「店舗を離れて久しいですが、僕は今でも動物は大好きで、自宅でも犬2匹と猫1匹を飼っています。今回の高橋さんの件、スタッフの前では言及しませんでしたが、とても共感しています。 私も新人の頃は『このワンちゃん、売れ残ったらどうするんだろう』と思ったものでした。営業部に転籍してからは『売上げ第一主義』だったので、いつの間にか私の中では『動物=商品』となっていました。だから、彼女の気持ちはとてもよく分かるんです」  配属初日に出された退職届は、その後会社に受理され、高橋さんの退職は確定したそうです。願わくば、動物のためになるような仕事に就いて、力を発揮してほしいものです。 <文/八木正規> *  *  *

■犬猫の殺処分は、20年前の約58分の1に

ペットショップ

※画像は生成AIによるイメージです

環境省によると、2024年度に全国の自治体が引き取った犬と猫は3万9409頭で、そのうち殺処分されたのは6830頭でした。2004年度には39万4799頭が殺処分されていたので、20年でおよそ58分の1まで減ったことになります。 ただし、この数字に入っているのは、保健所や動物愛護センターなどの自治体に引き取られた犬猫だけです。記事に出てきた「引き取り屋」のような民間の業者に渡った犬猫は、この数字には含まれていません。

■売れ残った犬猫は、お店に最後まで責任がある

ペットショップ

※画像は生成AIによるイメージです

環境省によると、2012年に動物愛護管理法が改正され、ペットショップなどの業者から犬猫の引き取りを頼まれても、自治体は断ることができるようになりました。あわせて、犬猫を売る業者には、売れなくなった犬猫が最後まで飼われるようにすることが義務づけられています。 つまり、売れ残った犬猫の行き先は、それぞれのお店に任されています。新しい飼い主を探したり、お店で飼い続けたりして、この責任に向き合っているお店もあります。引き取る側の業者にも、新しい飼い主を探すところもあれば、劣悪な環境で犬猫を飼って逮捕されたところもあり、ひとくくりにはできません。 「動物が好き」という同じ気持ちから始まっても、毎日たくさんの命を仕事として扱ううちに、見え方は少しずつ変わっていくのかもしれません。中村部長自身も、いつの間にか「動物=商品」になっていたと打ち明けています。高橋さんは、そんな現場の厳しさに、入社の前にふれてしまったのでしょう。
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※画像は生成AIによるイメージです

殺処分が減ったのは、たしかに明るい話です。ただ、その数字には、現場で働く人の迷いや決断までは表れません。夢見た仕事のスタートとなるはずだった日に、高橋さんは退職届を差し出しました。深く頭を下げたときの気持ちは、本人にしかわかりません。好きなことを仕事にしたとき、どこまでなら折り合いをつけられて、どこからは譲れないのか。高橋さんの選択は、そんな問いを私たちにも投げかけているのかもしれません。
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※画像は生成AIによるイメージです

<再構成/日刊SPA!編集部>
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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