[元ヤリマン]が真実の愛に目覚めた日
◆ピンサロの片隅で咲いた喪失と再生の物語――
「私の場合、すぐお客さんを好きになっちゃう。好きだから、店外デートももちろんするし。いくら仕事とはいえ、実際に肌と肌が触れ合っていると、“私、この人のこと好きかも”って思いますよ」
そう語るのは、かつてピンサロに勤務し、赤裸々な恋愛遍歴を綴ったエッセイが評判の藍川じゅん氏。風俗店では、客は嬢との恋愛行為を禁じられている。そして風俗嬢たちも、客を人間ではなく札束としか見ていないのが通常だ。25歳でピンサロ・デビューした彼女は、ミラーボールが回る薄暗い店内で、次々と恋に落ちていく。
「ナンパしてきた相手があまりにもしつこかったから、“会いたかったらお店に来てよ!”って名刺を渡したことがあったんです。そうしたら、そいつ、ホントに来やがった! こっちはもうそれだけでグラッときますよ。勤務時間が終わったら即エッチです(笑)」
朝と夜で違う相手と寝ていることもザラだったと悪びれることなく語る彼女。まさに絶倫ピンサローネの名に恥じぬヤリマンぶりだが、26歳になると自営業の男性と結婚する。同時に勤務していたピンサロ店も辞めたが、恋愛依存体質だけは一向に改まらなかった。
「結婚して田舎に引っ込んだのですが、旦那は働かないし、友達と疎遠になるし、お金はないし、寂しいし、はっきり言って八方塞がりだった。もうすべてがイヤになって家を飛び出し、再びピンサロの世界に戻ったんです」
離婚を決意した藍川氏は、新たにできた恋人の家に転がり込む。ピンサロ勤務を続けるかたわら、気に入った客と肉体関係を結ぶこともままあったという。そんなただれた放蕩生活にも終止符を打つ日がやってくる。夫と、まさかの復縁を果たしたのだ!
「ヨリを戻した最大の理由は、旦那が働くようになったから。いろいろ理由をつけて家出したけど、結局、旦那がダラダラしている姿を見たくなかったんだと思う。もうほかの男に行くことなんて考えられない。自分が本当に求めているものが何かわかったから」
現在、藍川氏は風俗業から完全に足を洗い、喫茶店でパートをする一途な主婦となっている。愛を安売りしたのち、真実の愛を知ることも、ときにはあるのだ。
【藍川じゅん氏】
不動産会社OL、ランパブ嬢などを経て、ピンサロへ。著書に『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)
― 人間ドキュメント[元ヤリマンの現在(いま)]を追跡【9】 ―

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