地獄か天国か? 売春島本番嬢の数奇な人生に迫る
そこは地獄か天国か? M県売春W島の本番嬢の数奇な人生に迫る
売春島……。それはM県にあるWという島のことだ。半径1kmほどのW島は、食堂やホテルなど至る所で売春をしており、まさに男の夢が叶う島なのだ。
この島では日本人をはじめタイ、フィリピンなどから約200人の女たちが出稼ぎにきている。
島民の生活が売春で成り立っているというから驚きだが、彼女らはなぜこの隔離された島で売春に従事するようになったのか。フツーの少女が、孤島で娼婦となるまでの、その紆余曲折に満ちた人生に耳を傾けた。
数多の売春で思考能力を奪われた女たちの楽園
「この島に来てもう少しで3年目かな。その前は名古屋におったんよ」
エミ、28歳。ぽっちゃりの童顔。どこにでもいそうなフツーの女性だ。
惚れた男が結婚詐欺で、貢ぎに貢いで借金は300万円。パチンコ店の給料では追いつかず、サラ金はもちろん闇金にまで手を付けてしまう。
ツテを辿り、ヤクザな取り立てから逃げるために行き着いたのが近県のデリヘル。しかし、そこでもまた食いモノにされてしまう。
「本番を強要され、寝る間もなく働かされて……。しかも給料はタバコ銭だけ。知り合いに相談したら『30万で島に逃がしてやる』って」
現在、彼女は島で月平均20万円を稼いでいるという。すでに斡旋料の30万円は返済したが家賃が月5万円、水道光熱費で3万円、食費やケータイ代に7万円、残りは遊びに消え、ギリギリの生活だという。
「ウチ、ギャンブルがヤメれんのさ」
稼いだ日銭で毎日、対岸の街までパチンコを打ちに行くという。島に隔離され管理売春を強いられていると思いきや、自由は利くようだ。なぜ、この島から出ないのだろうか。
「ここにおったほうが楽って言っちゃあおかしいけどさぁ……」
島に来て2年目の33歳のクミにも話を聞いた。
「ここは日本人ってだけでモテるんさ。だからちやほやされて気分はええね。ウチなんか名古屋で働いとった頃なんか、なんべんもチェンジって言われて、人間不信だったわ」
小太りのクミはお世辞にもかわいいとは言えない。しかし、ここではかなり人気のある嬢だという。そしてまた彼女が島に来たワケも男に騙されてできた借金だ。
「来るコはみんな借金。男に騙されたか、ギャンブルだわ。でも、ここは楽だわね。都会におるとたくさん誘惑があるもん」
ある意味、彼女たちにとっては最後の楽園なのかもしれない。
― 下流風俗嬢がそれでも仕事を続けるワケ【6】 ―
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