インスタントラーメンのプロ「パッケージに書いてある作り方に忠実に」
安くてうまい、そして手軽なインスタント麺。しかしその可能性は慣れ親しんだ”安定感”だけではない。自社製品を知り尽くしたメーカーの担当者や調味料のプロフェッショナル推奨のアレンジメニューとは? 無限に広がるインスタント麺の世界をとくとご堪能あれ!
「インスタント麺の世界は奥が深いんですよ」
日本全国の変わり種インスタント麺を取り揃える「インスタントラーメンさくら」。常に80種類近くのラインナップを揃えるという。
「インスタント麺はコンビニやスーパーで売っている以外に、地域限定から変わり種まで本当に種類が多いから味に関してはピンからキリまでいろいろ。だから新商品が出るたびに、全部一度試食をして、おいしかったものだけをピックアップするようにしているんです」(竹中さくら店長)
ちなみに、この店は単にインスタントラーメンを店頭販売するだけでなく、客が自分で選んだ好きなラーメンを、1杯500円で調理してくれるのがウリ。これまで数え切れない数のインスタントラーメンを作り続けてきた竹中店長においしいラーメンを作るコツについて聞いてみた。
「ぜひやってほしいのは、麺をゆでるときのお湯とスープを作るときに使うお湯を替えるということ。インスタント麺だと、麺をゆでたお湯にスープの素を入れて、そのままゆで汁でスープを作ることが多いです。でも、ゆでたお湯は一度捨てて、スープは別のお湯で作る。そうすると、スープがあっさりと澄んだ味わいになりますよ」
そして、もうひとつの注意事項は「パッケージに書いてある作り方に忠実に」ということだ。
「お湯を注ぐ順序や、熱湯を注いだ後の待ち時間など、商品によって意外と作り方が違うんです。変わり種のレアなラーメンは、メーカーの方が研究に研究を重ねて作っているので、ちゃんと作り方に忠実に食べてみてくださいね!」
◆本格的な味わい
【利尻昆布ラーメン】
「お客さんからの支持はダントツの1位です」といわれる絶品昆布ラーメン。
料亭風のクリアなダシ汁が決め手(利尻漁業組合)
【麺と匠 久留米が一番】
平麺でコクのあるスープが特徴的。
「この発売元の鳥志商店さんの商品は、どれも上品で工夫された味わいです」(鳥志商店)
【うまかっちゃん 博多からし高菜風味】
発売から30年以上経過しているご長寿商品。
「地域限定商品も多数ありますが、どれも安心できるおいしさですね」(ハウス食品)
◆お土産に最適
【東京タワー麺】
東京タワー限定商品だと一目でわかるド派手なパッケージ。
333mにちなんで麺のゆで時間は「3分33秒」に設定(五十嵐製麺)
【白クマ塩ラーメン】
愛らしい白クマは北海道の円山動物園とのコラボ品。
「これがお土産としてはダントツ1位です」(ノースユナイテッド)
【「かに」三昧】
「麺が太めで味もしっかりしているうえ、かに風味もちゃんと濃厚です」
と、かなり本格志向の高級なインスタント麺(藤原製麺)
◆変わり種もいろいろ
【山芋つなぎそば】
「山芋をつなぎに使う」というインスタントらしからぬ小技が利いた一品。
小袋に入ったダシ汁が優しい味わい(イトメン)
【激辛ラーメン 朱(トゥー)】
「『辛いことだけはわかったよ』とのリアクションが大半」という本格的な激辛っぷり。
辛さに自信のある人はぜひ挑戦を(鳥志商店)
【納豆そば】
「何も納豆までインスタントにしなくても……」と思ってしまうが、
そばも納豆も本格的で、おいしいと評判らしい(ムソー)
【インスタントラーメンさくら新井薬師本店】
全国津々浦々のインスタントラーメンが楽しめる専門店。
東京都中野区上高田3-38-5 YLビルB1
03-3388-5201
15:00~24:00(火曜のみ17:00~)
日曜定休
取材・文/藤村はるな 江口裕人(本誌)
撮影/難波雄史
― インスタント麺を劇的にウマくする[奇跡の一手間]【8】 ―
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