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【将棋電王戦第3局】プロ棋士に勝った「ツツカナ」とは?――秒読みちゃん画像付き

将棋電王戦2,ツツカナ

ツツカナ(提供:ドスパラ)

 4月6日、将棋のプロ棋士5人と5つのコンピュータ将棋ソフトが対決する『第2回 将棋電王戦』の第3局が、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われた。中堅戦は、終盤力に定評がある若手実力派・船江恒平五段と、昨年の『世界コンピュータ将棋選手権』で3位(42チーム中)となった「ツツカナ」の対決。第1局はプロ棋士が勝利、第2局はコンピュータがついに対プロ棋士戦で初勝利。そして1対1のタイで迎えた第3局は、団体戦の今後を占う上で重要な意味を持つ対局となった。

 ちなみに、この対局の前日には、将棋には腕に覚えがあるという俳優・石田純一と、お笑いコンビ・インパルスの板倉俊之による「ツツカナ」とのエキシビションマッチも行われた。いくら将棋経験があってもアマチュアでは歯が立たないということで、飛車落ち、プロ棋士・伊藤真吾四段によるアドバイス、ニコニコ生放送のコメントでのアンケートなど、さまざまなハンデも用意された。が、やはり結果は「ツツカナ」の圧勝に終わっている。

⇒エキシビションマッチの模様はこちら
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=420275


 そしてそのころ、将棋会館では重大な事件が起きていた。「ツツカナ」開発者の一丸貴則氏が将棋会館でセッティングを始めると、自宅から宅配したマシンのCPUの温度がみるみる上がり、使えなくなってしまったのだ。そこで急遽、ニコニコ生放送の運営がドスパラからエキシビションマッチ用に借り受けていたマシンをスタジオから移動。本番でもこのマシンを使用することになった。

「今回のマシンだと2割ほどパワーアップしている計算になりますが、いつもは1秒間に400万手ほど読みます(※)。ほかの将棋ソフトと比べると軽いソフトだと言うことはできます」(「ツツカナ」開発者・一丸貴則氏)

※第2局の「ponanza」は3~4500万手、第1局の「習甦」が1000万手程度。

「将棋ソフトにもパラメータの数の違いなどによって、重いソフトと軽いソフトがあるんです。たとえば、われわれの『GPS将棋』は、かなり重いソフトと言えます。コンピュータ将棋ソフトの強さは、CPUの性能や、マシンの数以外にも、いろんな要素がからんでくるんです」(「GPS将棋」開発者・東京大学准教授 金子知適氏)

 そもそも「ツツカナ」は、今回の『第2回 将棋電王戦』に登場するなかでは最も貧弱な構成のマシンを使用する予定になっていた。しかし、過去の棋譜を見るなどしたプロ棋士たちの間では「最も人間に近い感覚の手を指す」と評判が高かった将棋ソフトでもある。少なくとも、将棋の手を読むことのエネルギー効率の良さ、ハードウェアに依存しない汎用性の高さに関しては、トップクラスの性能と言えるだろう。

 こうした「ツツカナ」の特徴は、どれだけ先の局面まで読むかをコンピュータ自身に機械学習させる、というほかのソフトにはない仕組みに由来するのではないかと言われている。実際に「ツツカナ」は、そうした仕組みを導入してから、コンピュータ同士の対局でも急激に強くなったという。

「『ツツカナ』では、機械学習によって3手分ほど局面を読む深さが変わります」(「ツツカナ」開発者・一丸貴則氏)

「3手」というとわずかな違いに思えるのだが、コンピュータ内部の計算処理の量は大きく変わる。これが「ツツカナ」が処理速度的に劣っていても強い秘密かもしれない。比喩として適当かは難しいが、体が小さくリーチが短いのに、的確に急所を突いてくるボクサーのようなイメージだろうか。

 結局、対局当日の朝までセッティングで徹夜を強いられてしまった一丸氏ではあるが、将棋を指すのは「ツツカナ」なので問題はナシ。なんとか事なきを得ただけでなく、本来よりも2割増しのパワーアップというケガの功名が、本番の対局になんらかの影響を及ぼすことはあるのか。

 そして午前10時。対局開始早々に「ツツカナ」から驚きの一手が飛び出した。4手目に指されたのは「△7四歩」。これは将棋の定跡には、まったく存在しない手である。

「これは……どういうことなんですかね?」(鈴木大介八段@ニコ生解説)

⇒【つづき】二転三転の大激戦となった一部始終を振り返る
https://nikkan-spa.jp/420790


⇒【秒読みちゃん画像集】 https://nikkan-spa.jp/420273/denou2-3_09

<取材・文・撮影/坂本寛 撮影/林健太>

◆第3局「船江恒平五段 vs ツツカナ」PV – ニコニコ動画:Q
http://www.nicovideo.jp/watch/1364393871

◆ 第2回将棋電王戦 特設ページ
http://ex.nicovideo.jp/denousen2013/


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