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週末に行ける「海外ビジネス視察ツアー」に行ってみた

週末、シンガポール視察にひとっとび!

 海外で起業または就職をしたいが、どこにきっかけがあるかわからない……そう思う人は多いはずだ。

 記者も海外ビジネスに興味があったものの、どうにもアクションが起こせず、ただ月日が流れていくだけ。

 そんな中、週末だけで現地のビジネス事情をひとっ飛びに知ることができるツアーがあることを知った。グローバル人材育成を手掛けるコンサルティング会社、株式会社JIN-Gが主催する「週末アジア視察団」である。

 知識もプランも何もない記者であったが、週末だけで良いのなら……と、去る2月24~25日、「週末アジア視察団@シンガポール」に自腹を切って参加してみた。

 視察団は成長するアジア各国の熱気を肌で感じ、現地で活躍する日本企業や起業家からビジネス展開の勘所を学び、自身のキャリアプランに反映することを目的に企画されたものだという。

 第一回の視察先として選ばれたシンガポールは、ASEANビジネスの「ハブ」。ASEANの交易に必要な金融、物理インフラが整備され、税制も企業活動に適しており、アジアでのビジネス展開の足掛かりを掴むには最適の地といえる。

 JIN-G執行役員の豊田圭一氏は次のように話す。

「海外で仕事をするにはハードルが高いイメージがありますが、実際に現地で働く日本人は決してスーパーマンというわけではなく、ごく普通の人々。問題は実力的な差ではなく、行動に移したか、移していないかの違いだけです。それを肌で感じてもらうことが一つ。二つ目は、アウトプットをできるようにすること。日本人の特徴は他のアジア諸国に比べ、『NATO(No Action Talk Only)』と表現され、インプットはしてもなかなか行動に移さないケースが多い。そこで、セミナーや視察だけではなく、日程の中に自分自身のビジネスプランを作成するアウトプットのプロセスを加えることで、現実化しやすくさせる。これは他の視察ツアーにはない点でもあります」

 初日の日程は、それぞれ2時間以上の企業訪問が4本と、施設見学が1本だった。

日本ではなかなか聞けない、木島氏の講義を生で!

 まず最初に、シンガポール進出を目指す300以上の日本企業に対しアジア戦略のコンサルティングを行う「Tree Islands Singapore」社長、統括・ハブ機能研究所社長の木島洋嗣氏による講義を聴講した。

 木島氏は自身の経験をベースに、シンガポールの成長政策の概要、シンガポールを基軸にした日系企業へのアジア展開戦略、そしてシンガポールが他のASEAN諸国に比べ、外資企業に対する税制上のメリットが多い点を説明。

 また、個人事業主含めシンガポールで起業する場合の市場概況、参入ポイントについても解説した。

 質疑応答ではシンガポールで起業した際、「何かできることはありませんか」と各企業に徒手空拳で訪問して回ったという木島氏自身の苦労話も交え、シンガポール起業において誤解されている点や、認識すべき点などを事細かに回答。他ではなかなか聞くことのできないレアな話が目白押しだった。

 その後、下水処理施設「NEWATER」を見学。

日本の膜技術が生かされた水再生処理場、「ニューウォーター」でシンガポールの可能性を見出す

 水資源に乏しいシンガポールは水の3分の2をマレーシアから供給していたが、締約期限がそれぞれ2011年と2061年に失効するため、2003年より下水から高度処理した再生水を推進していく政策に切り替えられた。ここでは日本の膜技術も導入されており、下水が浄化処理されていくプロセスを生で見学することができる。ここもまた、シンガポールの可能性を見出すことのできるスポットである。

 次に、シンガポール日本商工会議所に訪問。

 シンガポールに進出中の日本の大企業が会員となっている同商工会議所の東事務局長は、シンガポールの外国人労働者政策とそれを巡る実情を取り上げ、進出する日本企業の今後の展望について包括的に言及した。

 そして、人材派遣会社インテリジェンス・シンガポールへ。シンガポールには現在7000社以上のグローバル企業が存在し、そのうち日系企業は2000社以上あると言われる中、日本からの求職者が増えているという。ここでは、企業側の詳細なニーズと実際に就職した場合の給与や生活方式、または逆に起業した場合の人材雇用に関するポイントなども聞けた。

 シンガポールなど海外では転職を繰り返すことはキャリアダウンにはならないらしい。

 昨今では日本人への労働ビザ発給要件が厳格化しているが、まだまだ第二のキャリアを求めて、シンガポールにやってくる日本人は後を絶たないという。

 一日目の最後は、シンガポールにてレンタルオフィス事業を展開するクロスコープ社へ。同社の庄子社長がクロスコープ社設立の経緯をベースに、シンガポールでジョイントベンチャーを作る際のチャンスの作り方や交渉、マネジメントの仕方やプロセスについて語った。

 二日目はいよいよ、アウトプットである。

⇒【後編】へ続く https://nikkan-spa.jp/434468

<取材・文/日刊SPA!取材班>





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